第43話 一人じゃ何も出来ないガキンチョな俺は、またまた仲間に助けてもらいました。

「……ってかよ? ケーちゃん今まで何してやがったんだ?」



 いきなり出てきたケーちゃんにビビったジジイを縄(なんかケーちゃんが持ってきた魔法でも切れないすごいやつ)でふん縛ったあと、俺はケーちゃんに気になったことを問うてみた。


 ガルムの親分と喧嘩んなった時、俺が一人村を飛び出し初心者ダンジョンに向かった時、ケーちゃんの姿は見当たらなかった。

 

「寂しいから付いてきてくれよ」なんてダセェことは言えねーけど、ケーちゃんなら付いて来てくれんじゃね? ってちょっと期待してたのによ……。


 そんなケーちゃんが今更んなってどうして来てくれたんだろうかってのは気になるところだ。


「……う、まあ主人よ、そんな幼な子のような目で見るな」


 俺が半眼で睨みつけてやると、ケーちゃんはそんなことを言いやがる。


「そ、そんな目してねぇし! ……そ、それよかまじに何してたんだよ?」


 ケーちゃんがいなくなったのは、俺が余りにもバカすぎて愛想尽かされたからだと思ってたけど(夜一人でちょっと泣いた)、そーだったらわざわざこんなタイミングで現れたりしねーしな。


「ふん、主人はバカだからな。どうせ何の考えもなしに初心者ダンジョンに乗り込んで客を脅し続けたりしたのだろう」


 ……なんだよこいつエスパーかよ。


「べ、別にそんなんじゃねーし! ちゃんと目論見あったし! そんで最初の目論見通り悪の親玉出てきてブッチめてやってたとこだし!」


「……ふっ」


 ……っ、鼻で笑いやがったな! ……そりゃ悔し紛れのハッタリだけどよぉ。


「社長にトドメをさせなくて困っていたのだろう?  隠さなくてもメッセージウィンドウ風情とイチャついていたところから見ていた。



 ピコン!


【風情ってなんですか風情ってぇ(*`へ´*) 最低の言い方\\\٩(๑`^´๑)۶////  頭3つもあるくせにそんなデリカシーすらないとかどんだけ小さい脳みそなんですか( ゚д゚)】


「……ぐぐっ、あ、主人よ、こやつを少し甘やかし過ぎたようだな。どうやらこの道具は本来の役目を超越した存在だと勘違いを始めているようだぞ」


 ピコン!


【あーっ! 道具とかいったー! 女の子を道具扱いしたー\\\٩(๑`^´๑)۶////  サイテーサイテー! 頭悪いくせにサディスト野郎とかもう救いようないですね(*´Д`*)】


 ……ちょちょ。


「お前らやめろよぉ〜」


卍卍卍



 ピコン!


【で、ワンちゃんはここに何しに来たんですか?ʅ(◞‿◟)ʃ】


「……ふん、伝言板風情には関係のないことだ」


【伝言板じゃないですぅ〜(*`へ´*) あ、それとも伝言書き込むのを口実にわたしの身体を触ろうと……? 怖っ(;´Д`A】


「……ぐぐぐぐぐ、……ぐはぁっ!」


 バコン! と思わずケーちゃんの頭を引っ叩く。


「バーカ! テメェらいーかげんにしやがれ! 今はそんなばーいじゃねーべ?」


【ごめんなさーい(*⁰▿⁰*)】


 ……こいつ絶対1ミリも反省してねぇ、ってか顔文字すげぇムカつく。


「……うぅ、主人よ、この伝言板よりも我が悪いというのか?」


 対するケーちゃんは上目遣いですげぇ悲しそうにしてる。……可愛い。


「いやいや、そーいうワケじゃねーんだけどさ? こいつすげー固くて殴るとメチャいてーんだよ」


「そういうことなら仕方ないが」


 って言いながらも不満そうなケーちゃん。


「ごめんごめん、……っていうかそれどこじゃねーんだって! やっぱ俺、このじーさんぶっ殺しちゃうのなんかヤだからよ? ガルムんとこの奴らとか守らなきゃってのはわかってんだけど、……俺」


「……ふん」


 と、そんな情けない俺をケーちゃんは鼻で笑う。


「全く、主人には誰もそんなことを期待してはいないだろうが」


 ピコン!

 

【そーですよ(´∀`*) タケシくんがバカでヘタレなことくらい誰だってわかりますし?】


「そーかよ」


 ……ったく、そーかもしんねーけどそんなに言わなくてもよぉ。


「そう、主人はべらぼうに強くはあるが前々からツメが甘いとは思っていた。だから、……後は我に任せるがいい」


 言いながらケーちゃんはジジイに向近寄り、ドスの効いた声をかける。


「さてご老人、交渉の時間だ」

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