〜魔物を殺せない社会不適合者の俺は、ずっとレベル1のままなのになぜか魔物のキングになりました〜
第33話 一週間ぶりにクラスメイトに再開して実はちょっとだけ嬉しかった俺は、照れ隠しにおちょくっときました。
第33話 一週間ぶりにクラスメイトに再開して実はちょっとだけ嬉しかった俺は、照れ隠しにおちょくっときました。
「……はぁ、ま、とりあえずそのへん座っとけ?」
俺はなんだかやりにくさを感じながらもとりあえずシビコに言う。
「は? なんで命令されなきゃなんないの?」
するとシビコは相変わらず残忍な程冷たい目つきで睨みつけてくる。
……ま、いいか、別にこの女好みじゃねーし。
「まぁまぁそー言わずにだな」
まあまあまあと宥める俺に、シビコは一層呆れた様子になる。
「つってもねぇ、……っていうかムトーくん、最終的にこれどーするつもりなの?」
シビコは俺の後方を指差しながら言う。俺の後ろには俺が脅して座り込ませているボーイズ&ガールズにレディース&ジェントルマンが6.7人、怯えた様子で体育座りしている。
「別に、……おもろいから?」
シビコの指摘に俺は適当に返事する。俺は大切な作戦を敵にペラペラ喋くるほどバカじゃねー……。
「どうせアレでしょ? こうやってお客さん減らして、ここの家賃払えなくなって倒産させてやろーとかそういう浅はかなチンピラ思考なんでしょ?」
……こいつ、マジでエスパー?
「ば、バカ言っちゃあいけねーなぁ……」
「でもここ、もーすぐエバハン先生来るよ? さっき入り口で会ったし」
……は?
「え、あのオッサン、あんだけ偉そうなこと言っといて初心者なのか? っていうかそもそもお前もなんでこんなとこ来てんの? ここの利用料めちゃ高ぇだろ?」
「わ、わたしのことはなんだっていーでしょ? ……エバハン先生は、ちょっとアレなところがあって、ね?」
「アレって?」
「あの人は、……なんていうか、魔物をいたぶるのが趣味なの。なんか、レベル低いモンスターを蹂躙したがるというか」
「なるほど」
ケンカ別れしたとはいえ、俺に対して最初は好意的に接してくれた先生のそーいう話はなんか複雑な気分。
……っていうか。
「お前、さっきの話ぶりからして俺の事敵だとおもってんじゃねぇのか? んな話教えちゃっていいのか?」
「……はっ」
シビコは目を見開くと、ずざざざっと後ずさる。
「ど、……どうせあんたなんかこれからエバハン先生にメタメタにやられんだから? 何を知られても関係ないだけ……」
「あれっ? センセー久しぶりじゃんよ?」
「うぇっ⁈」
シビコは俺の言葉に首が折れそうな勢いで振り返る。
「はい嘘ー」
が、もちろん後ろには誰もいない。
「……うっ、うぐぅ」
ついでに首をやったらしいシビコは、こちらに向き直ると恨めしげな視線を向けてくる。
「いやお前……、どんだけセンセーにビビってんだよ?」
「うぅ、……イタタ、し、仕方ないじゃない。エバハン先生って、逆らうと容赦なく単位落として来るんだか……」
ポン、とシビコの肩に手が置かれる。
「なるほど、シビコくんの【魔法成分A】の評価はDと」
……あらら、ホントにセンセー来ちゃったよ。
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