第218話 2020年三月前後?(19)

 なのに、コーヒー屋のお兄さんは、薄手でのジャンバーであろうとも、甲冑の如く装着しないのだ。


 だから山田瞬と大島のオジサンは、「コーヒー屋のお兄さんは、そんな軽装で寒くはないのかい?」と、訊ねることが多々あるのだ。


「……ん? ああ、大丈夫。大丈夫ですよ。これぐらい寒い内には入りません」と、二人に気丈に台詞を告げる。


 ことはないか?


 自身の両手を組み、寒さに震え、痩せ我慢をしながら言葉を返してくる程の、自身の身なりには気にするタイプの。やはり変わり者になる? 青年なのだよ。


 そんな彼が、三人へと訪ねてきた。『何を楽しそうに見ているの?』の問いかけに対して。


「これだよ? コーヒー屋のお兄さん……」と。



 大島のオジサンが山田瞬から受け取り見ていたスマートフォンの画面を見せ、覗かせるのだ。



 そんな二人の様子……。




 やりとりと会話を見ながら山田瞬も大島のオジサンの言葉に続くように。



「本当なのかね、これは? コーヒー屋のお兄さんは、どう思う?」と訊ねる。




 



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