老舗店って、ちょっとおもしろい。


 そろそろクリスマスですねー。寒い。今日は朝からモヤが町中を覆っていて、なんだか幻想的な雰囲気——はいいんですけれども! 視界不良! 雨や雪が降った朝みたいに、通勤に時間がかかりました。


 そろそろクリスマスが近づいている今日この頃。毎年恒例。優柔不断な長女はプレゼントが決まりません! こんなんじゃあ、サンタさんが困るだろ! ってせっついても、決まらないという。あのね、アマゾン先生は、この時期、混み合うから。早くしてください。もういっそのこと、「サンタはお母さんなんだぞ。お母さんが困るんだから、早く決めろ!」って言いたくなります。


 昨日、職場のお使いで、老舗の羊羹屋さんに行きました。店構えも古くって、自動ドアなんて、半分しか開かない。自分でこじ開けないと、中に入れないという古さ。


 数年前までは、隣に駐車場があったはずなんですが、有料駐車場になっていました。まあ、職場のお使いですから。駐車料金を払えばいいやと思いながら、そこに車を入れて、お店へ。

 

 気さくな愛嬌のあるおばちゃんが対応してくれて、すっかり無駄話をして、さて帰ろうとすると、おばちゃんに「車どこ?」って尋ねられました。もちろん、隣の有料に止めましたと、答えました。で、商品を受け取って、「ありがとうございます」と頭を下げて店を出ようとしたその時。

 

 店の奥から、すっと若い男性の方が出てきたかと思うと、私と一緒に駐車場に歩いて行くんです。


「え? お客さん、いたの? いやいや。私たちしか、いなかったはず。え? え」


 彼は、わき目もふらずに駐車料金の精算機の前に行くと、お金を入れて「何番ですか?」って聞いてくるんです。


 ——え、ええ!? 


 普通は、店舗で契約している有料駐車場ですと、無料券を渡されて、それで自分で清算するじゃないですか。なんと、ここは、お兄さんが一緒に行って、お兄さんが現金で清算してくれるという、なんともアナログな方法。


「ありがとうございました」って、駐車場から見送ってもらって、それで職場に戻りましたが、一緒に行った同僚と、笑いが止まりませんでした。突然、現れたお兄さんに唖然となりましたし、その、なんともアナログな感じが、笑いを誘います。きっと息子さんなんだろーなって思うんですが、あれ。お客さんが来る度に、やっているんでしょうかね。お金の支払い。無料駐車券とか作るのは面倒だって思っているのでしょうか。コスト的にも、現金払いのほうがいいのかな?

 やっぱり老舗店って面白いなーって思いました。また買いに行こう。面白いから。


 このエッセイは、カクヨムコン用なもので、去年は作品について、あれこれと書いていたようですが、今回はちょっとミステリー。あんまり作品の事について触れるとネタバレしそうな気もしなくもない。

 

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