第18話 お馬のけいこ
母上が亡くなった後、里美さんがよく諏訪に来るようになった。父上が古府中不在の時はだいたい来てる。
どうやら幼い俺が母を亡くしてしょげてるだろうからと気にしてるらしい。
ホント里美さんいい人。今川に行かなくてよかったね、グッチョイス!
折角なので騎馬を教わる事にした。なんせ里美さんの騎馬は美しく強く可憐でもう嫁にしたい。
「なんですか、その無様な格好は。それでも武士ですか!」
「おととい出直してきなさい、槍を振り回せない武将が何処にいるのですか!」
前言撤回、罵倒の嵐。
里美さんがきていない時は、剣の稽古。これは、諏訪家の分家頼継が用意してくれた若い侍で名を玉井伊織という者が相手をしてくれた。
「うぉーりゃー!」
「なんですか、そのへっぴり腰は。それでは雀に負けますぞ」
「面、胴、こてー!」
コテっと倒される。
「掛け声はお見事ですが、隙だらけです。で、今のは何のおまじないですかな?」
そうか、この時代はそういうのないのね。
「伊織、いや、頭きたから玉さんて呼ぼう」
「四郎さま、それはご勘弁を。武士としての威厳が…」
玉さん決定の瞬間であった。
武術だけでなく体術も学ぶ為、楓に頼んで伊那の修行も欠かさずに行った。
木登り、川をジャンプして渡る所から始め、綱を登る、今でいうボルダリングもどきの岩登り、苦無の投げ方、そして柔術もどき。これだけはお幸に頼んだ。
だってポッチャリの方が気持ちが……いや、何でもない。
勝頼は12歳になっていた。
この3年の間に、格さん、助さん、伊那衆には組織的に動くよう指示していた。
技術部 : 格さんを頭に、自然、生物に興味がある若手5人と伊那衆10名
工作部 : 助さんを頭に、手先が器用で根気のある若手5人と伊那衆10名
偵察部 : 吾郎を頭に伊那衆40名
製造部 : あずみ(吾郎の奥さん)と伊那女子10名
警備隊 : 楓、お幸ら20名
である。偵察部は、200人位にして全国の情報を集めたいけど人数が足りない。
あと、警備隊の補佐として警備隊jrじゃない警備隊予備軍を作った。将来の勝頼旗本衆を育てないとね。
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