第147話 あるはずのない記憶
この道は覚えている。
次の角を曲がると、タバコ屋がある。
その先には本屋があるはず。
ほら、タバコ屋があった。
本屋は、残念ながら閉店しているようだ。
その先に、マンションが建っている。これは覚えていない。
最近建ったようで、まだ新しい。
懐かしい道。
懐かしい街。
でも、そんなはずは無いのだ。
なぜなら、私はこの街には今まで来たことは無いはずなのだから。
こんなことってありませんか?
私はよくあります。
初めて通るはずの道なのに、鮮明に覚えているとか。
何なんでしょうね。
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