早とちり(ウル&スノーside)
【大衆食堂バーリトゥード】での食事を終えたウルとスノーはホテルに向かった。
「えーっと帝国ホテルだったな、 ここか」
帝国ホテルと銘打っているが普通のホテルだった。
但しホテルの前にガードマンが立っている。
ツアー客も集まっている。
「はーい、 皆さん集まりましたねー、 じゃあホテルに入館しますよー」
ガイドが先導してホテルに入る。
ガイドは受付から鍵を貰ってツアー客たちに鍵を配る。
ウルとスノーは同室である。
部屋は特に問題は無く、 普通の部屋だった。
変わっている所と言えば氷の入ったバケツに酒瓶が何本か入っていた事だろうか。
「これは?」
「恐らくミニバーだろう、 呑んだら金を取られるぞ」
「ふーむ・・・」
コンコンとドアがノックされる。
「はーい」
ガチャガチャと鍵が開けられる音がする。
「!?」
「な、 え? 何?」
困惑する二人、 まさか押し込み強盗か?
シクラメン合衆国のホテルでの出来事がフラッシュバックする。
「バリケード組め!!」
「はい!!」
ウルはベッドやソファーをドアも前に並べた。
スノーは窓を開けた。
「あれ? 開かないぞ?」
ドアの外から間の抜けた声がする。
「バルコニーから外に出られる!!」
「良し!! 行きましょう!!」
バルコニーに出るウルとスノー。
バルコニーから下を見ると帝国魔術師団の紋章が付いた馬車が停まっていた。
「あれは・・・如何します!? 助けを求めますか!?」
「あぁ、 そうした方が」
「すみませーん、 ウルさん? スノーさん?」
ドアの外からガイドの声がする。
「・・・・・何だ?」
「あの、 ドアの鍵を開けたんですけども開かないんですがー」
「・・・ガイドさん、 貴女が鍵を開けたんですか?」
「いいえ」
聞き慣れない男の声がドアの外からした。
「ドア越しで失礼します、 私は帝国魔術師団の者です
実は先程、 不審な一団がうろついていまして逮捕した所
貴方達を誘拐しようとしていたらしいので御話を聞きたいのですが・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
ウルとスノーはバリケードを解いてドアを開けた。
そこにはガイドと魔術師が立っていた。
「いきなりドアの鍵開けようとしないでくれ、 怖い」
「それは配慮が足りずにすみません
それでは逮捕した連中の所に着いて来て貰って良いでしょうか」
「構わない、 行こう」
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