傍観者はくじを引かない

ホットドッグを食べて暫く経ったラビー一行。


「今何時だ?」

「時計を持って来てある」


雷の言葉に呼応する巾木。


「19時、 ここに入ったのが17時だから、 残り13時間位か」

「先は長い・・・」

「当然だがトイレは有るよな?」

「はい、 そこに」


ゼロが尋ねるとエレベーターガールが指差す。

小さな小屋、 と言うか部屋が立っていた。


「ならば問題無いな、 風呂は?」

「ユニットバスになっています」

「風呂トイレ一緒かぁ・・・」

「一応危険地帯だから態々風呂入るのは如何かと思いますよ?」


勲章の騎士が諫める。


「それもそうか」

「いや風呂位入りません?」


ウィノが問う。


「アホ丸出しだな、 それでも騎士?」

「アラモード殿下、 でも汚れは気になりません?」

「あんまり、 まぁ態々お風呂に入って隙を見せるのは良くないでしょ」

「そうだな、 アラモードちゃんは賢いね」


ツイストが褒める。


「あぁ、 忘れていた、 寝る時は如何する?」

「確かに、 布団とか如何します?」

「いや、 そっちでは無く、 順番に誰か起きていた方が良いのではないか?」


ウィノのズレた発言を修正するゼロ。


「我々3人でローテーションを組みますよ」


亜人騎士達が立候補する。


「いや、 我々は14人居る

これならば1人1時間起きれ居ればに問題は無いだろう」


巾木が提案する。


「私も見張りしなければならないのか?」


ゼロが露骨に不満を表す。


「では公爵閣下を抜いて13人、 丁度13時間だ」

「頭がどうかしちゃったのか? こんな早くから寝ようと思わんだろうが」


ツイストがツッコム。


「なら今19時だから5時間は皆起きて丁度24時で残り8時間

残り8時間を13人・・・は多いな」

「ならば我等亜人3人と傭兵団の5人で1時間ずつで交代すれば良いのでは?」

「いや、 13人居るのだから2人起きている事にしよう

そうすれば半分の6組、 この6組でローテーションを組もう

1組1時間15分起きている事にしようか、 それならば問題無いだろう」

「なるほど、 それで行きましょうか」

「組分けは如何する?」

「あ、 くじ持ってるぞ」


金鬼がくじをす、 と出す。


「なんでくじを持ってるんだ?」

「接待の時の王様ゲームに使うのに持っている

13本になる様に数を調整して、 と

じゃあ1~12とあまり一人、 一人が見張り免除で

1と2, 3と4, と言う感じで組分けで問題無いな」

「分かった」


くじを引くラビー一行。


「・・・・・」


余り喋っていなかったADは素で忘れられていた。

しかし見張りをするのが面倒だったので言わずに黙っている事にしたのだった。

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