中心部へ(皇子side)

騎士団の詰め所にてぽりぽりと仲良く落花生を食べているソーラーとツイスト。


「良い豆ですね」

「そうですね・・・怪我は如何です?」


ツイストはオブラートにぶっ飛ばされて怪我をしたが大分良くなっている。


「随分痛みが無くなりました、 もう歩ける程度には回復しました」

「そうですか・・・」


落花生がなくなり一息吐く二人。


「ツイストはこれから如何します?」

「如何しますって勿論ラビーを落とす為に色々やって行こうと思いますよ」

「そうですか・・・変わりませんね」

「兄さんもそうでしょう?」

「いえ・・・」


すっ、 と立ち上がるソーラー。


「私はこれから亜人達の中枢である内陸部に向かおうと思います」

「・・・はい?」


呆けた声を出してしまったツイスト。


「一人の女を連れて帰るよりも異種族との懸け橋になった方が帝国の為、 と私は考えます」

「懸け橋、 ですか・・・でも・・・きっと難しい事になるでしょう」

「それは重々承知の上です、 今生の別れになるかもしれません」

「・・・・・ここから出られますかね?」

「光に追い付く事は出来ない、 ではさらばだ、 帝国万歳」

「・・・帝国万歳」


ドアを開けて文字通り光の速さで消えて行ったソーラー。


「・・・・・」


ツイストは眼を手で覆った。

ソーラーは悪名高い男だが誠実な男だった。

もっとちゃらい性格だったら・・・いや、 光速のチャラ男も嫌だが・・・

そう思っているとドアをノックされた。


「ツイスト殿下、 ソーラー殿下、 失礼します」


ガチャ、 と開くとそこには剣の騎士が居た。


「あれ、 ソーラー殿下は?」

「兄様はもう行った」

「行った? 何方へ」

「内陸部へ」

「えぇ!? な、 何故!? 人間が行って良い場所では無いですよ!?」

「死は覚悟の上です」

「そ、 そうですか・・・事情は分かりませんが

そちらの報告は後でしておきますよ」

「お願いします、 それで何の用だ?」

「あ、 そうだった、 ツイスト殿下、 人間圏への帰還の目途が立ちました」

「ラビーも一緒?」

「いえ、 店長さんは多分こちらに残るかと」

「ならば僕も残る、 いや、 まぁ付き添いだけでもしておくよ」


すっ、 と立ち上がるツイスト。


「では行くよ、 何処に向かうんだ?」

「まずはレストランの方で合流する形になりますのでそちらに」

「分かった」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る