閑話 励ましているのかと思ったらそうでもない
「ところで、 そこの隅っこに居る奴は誰です?」
火鍋を食べ終わった巾木が尋ねる。
「隅っこ?」
「そう隅っこで体操座りしている」
「?」
ラビーが見るとそこにはウィノが体操座りでうつろな目をしていた。
「糞ゴミ役立たずのウィノです・・・」
「完全に心が折れてる!! 如何したんですか一体・・・」
「・・・・・」
俯くウィノ。
でぶ妖精達が集まって何とか宥めて聞き出すと先程のオブラートがやって来た時に
腰が抜けて動けなかったのを気に病んでいる様だった。
「まぁアンタが如何にか出来るとは思わないけどね」
「アラモード殿下、 それはちょっと言い過ぎでは?」
「私に良い様に使われてたしねぇ」
「そうなんだよなぁ・・・女に良い様に使われて・・・」
更に落ち込むウィノ。
「ウィノ君は確かメイジ団長の息子さんだったかね?」
「えぇそうですゼロ公爵・・・いや・・・もう絶縁されているか・・・」
「ふむ・・・ならば一つ話してやろう、 あれはビア帝国との関係性が今とは違い悪かった時代我がストロング家が国境警備を任されていた頃の話その当時のストロング家は伯爵家で文武両道の家柄だった当時の当主の息子の20にもなっていなかったフリーズと言うのが警備隊の一員として働いていたがある時ビア帝国との戦いが起こった時にまるで戦えず自己嫌悪に陥っていたその時に警備隊の部隊長を務めていたハイボール侯爵が言った言葉がある『お前向いて無いよ』その言葉でフリーズは武の道を諦めて文官としての道に進んだ訳だ」
「・・・・・・・・・・???」
一気に話したのでやや聞き取れなかったウィノ。
「つまりウィノ君、 君は騎士に向いていない」
「励ましているのかと思ったらそうでもない!!」
「騎士の家柄だから騎士に適性が有るのかと言えばそうでもないだろう、 君は君だ
まだ若いんだし自分を見つめ直すのが良いんじゃないのか?」
「でも・・・騎士以外の道なんて・・・」
「いやウィノさん、 貴方鍛錬とかサボっているし
言う程騎士に憧れていたとは思えませんが」
「励ましているのかと思ったらそうでもない!!」
ダブルで励ましているのかと思ったらそうでもない言動に翻弄されるウィノ。
「・・・まぁゼロ公爵の言う通り適性は存在する
戦いになってまともに戦える新兵は少数だ、 気に病むのは良くない」
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