閑話 真夜中の激辛の宴

真夜中、 もう眠る時間だがラビーは眠れない。


「なんだか目が冴えてる・・・」


昼頃に食べた兵糧丸の影響である。

手足が捥げても再生するレベルの高い栄養価を誇る兵糧丸を

無傷の状態で食べたのなら、 一日寝なくても平気である。


「うーん・・・」


ラビーは起きて厨房に立った。


「・・・・・」


夜中だから軽い物でも食べようかと思ったラビー。

しかし彼女の体は兵糧丸の栄養素により活性化しており

過去に無い位健康な状態である。

軽食ではもはや足りない。


「まぁ、 偶には良いか」


真夜中ながらドガ食いが決定した。

今のラビーの精神状態は単純に旨い物を食べたい状態である。

凝った物は作らない。


塩胡椒した牛肉を焼いて自分用に作っておいたサルサソースをかける。

中々に旨いがまだ足らない。


にんにくと唐辛子を刻み、 味噌、 豆板醤、 醤油、 酒、 味醂を目分量で

大量に混ぜ合わせフライパンにごま油、 ニンニク、 唐辛子を数本入れ中火で炒め

ニンニクの香りがしてきたら豚肉を入れ、 火が通ったら大量のもやしを入れて炒めて

味が馴染んだら激辛の豚ともやしの炒め物、 客に出せるレベルじゃない程度に辛い。

それに丼一杯の御飯を作り手を合わせて食べ始める。


「うん!! 良い感じ!!」


ラビーのテンションは最早天元突破である。

普段の自分でも「え、 辛・・・」というレベルの辛さでも

平気で喰える精神状態である。

最早彼女は激辛の化身となりつつあった。

それと同時に食欲の権化、 既に丼三杯食べると言う暴挙を犯している。


「あ、 そうだ」


ラビーは思い出したかのように食糧庫を探る。


「じゃーんたこわさー」


港町に行った際に入手した物である。

これも御飯が進む。


「ん-・・・辛さがイマイチかな、 山葵足そう」


山葵は赤い森にも存在する。

入手したいた山葵を摩り下ろしてたこわさに投入し

どんぶり飯を掻っ込むラビー。


「うん、 おいしい!!」


最早狂気に片足所か全身を突っ込んでいる。

夜中にこんなに御飯を食べたら太る(確信)。


その後も朝が開けてでぶ妖精が起きて来るまで狂気的な宴が続いたのだった。


「ぎゃあああああああああ!! 空気が辛いいいいいいいいいいい!!」


その後、 朝起きたでぶ妖精達は激辛料理の宴により

発生した辛い空気が換気される迄震えていたという。

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