閑話 初日の出

年越しを過ごした3人とでぶ妖精達。


「明けましておめでとうございます」

「おめでとうさん、 じゃあ如何する?」

「初日の出でも見に行くか?」

「初日のでぶも見て見てー」


にゅ、 とカウンターから顔を出すでぶ妖精。


「はいはい、 おでぶちゃん達はお留守番ね」

「分かったにょー、 早めに寝るにょー」

「はいはい」


でぶ妖精を置いて店を出る3人。


「初日の出でこの森の中で見れます? 私この森の外に出れないんですよ」

「それなら問題無い、 絶好のスポットが有るんだ」

「それは楽しみですね」


森の中の小高い丘にやって来る3人。


「おっと、 女将さん達、 こんな所で奇遇ですな」


何故かその丘で焼肉をやっている勲章の騎士と新人騎士達。


「何やってんスか?」

「新入り共に夜間訓練の名目で肉を喰わせているんだよ

年越しだからこの程度のガス抜きはしなきゃな」

「ほうほう、 中々感心だな」


世捨て人に驚く勲章の騎士。


「お久しぶりです!!」


90度頭を下げる勲章の騎士。


「よいよい、 もう既に退役した身だ」

「世捨て人さんって昔騎士だったんですか?」

「昔の話だよ、 今はただの隠居したイケメンだ」


自分でイケメンと言うのか、 と困惑するラビー。


「今日は初日の出を見に?」

「えぇ、 そうです」

「そうですか、 ここは良い日の出ポイントですからね」

「そうなんですか?」

「えぇ、 地平線から太陽が出て来るのは見ていて気持ちが良いですからね」

「そうですか・・・店から御飯持って来ます?」

「いや、 流石に悪いですよ」


そんな感じで彼等と合流したラビー一行。


「お肉ばっかり食べて・・・野菜は食べてますか?」

「や・・・さい?」

「何で初めてきいた風なんですか」

「ははは、 冗談はさておいて一応名目上訓練なので

野菜の持ち込みは禁止されているんですよ」

「何故?」

「野菜はカロリー少ないので」

「あぁ・・・なるほど・・・」

「しかし肉ばかり食べるのは考え物だな」


世捨て人を言う。


「健康に悪いですからね」

「いや、 焼肉の匂いに誘われて野良でぶ妖精がやってくるかもしれない」

「既に来ているにょー」


網の上に乗っかり肉と一緒に焼かれるでぶ妖精。


「熱いからおりなさい」

「にょー・・・」


ラビーにつままれて地面に降ろされるでぶ妖精。


「焼肉ガチ勢は肉と一緒に焼かれるにょ!!」

「迷惑だから止めなさい」

「にょー・・・」


しょんぼりとするでぶ妖精。

そんなこんなで夜が明けて初日の出が出て来た。


「よんだー?」


初日のでぶはお呼びで無い。


読者の皆様方、 今年もよろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る