第22話 彼の生い立ち
私は、彼は最初からお金持ちなんだと思っていた。
だから彼の若い頃の話を聞いて泣いてしまった。
30歳で銀行で土下座した話、家族の借金を返すためにベンチャー企業に出稼ぎに行ったこと。ビジネスパートナーに裏切られた話。家族に利用された話。変な噂や嘘を流された話。お金がなくても辛いが、あっても確実に問題が起きる。彼は自分で付き合う人を選別するようになった。お金は選択肢を増やしてくれる自由度が上がる点で必要だが人間関係を一瞬にして変えてくれる威力がある、良くも悪くも。
私は家族は常に大事な存在で見返り無しに愛をくれて味方でいてくれると頑なに信じていた。
彼の話を聞いてから家族ってなんだろう。となんだか心の中が無になった。誰を信じれるだろう?
本当に家族というものは、いつでも正義なんだろうか。彼の家族の話を聞き考えが180度変わった。
私は、自分を守れるのは自分しかいない。自分の人生に責任持って他人に依存しないと心に誓った。
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