詩集 ウイルス・ウイルス

haL.

1:ウイルス・ウイルス

 帰宅してすぐ


 手洗いうがい


 心は洗えず


 罵倒暴言


 悪口に次ぐ恨み口


 さらにそれを否定する


 人たちを否定する人たち


 っていうのももう


 聞き飽きた


 っていうのももう


 聞き飽きた


 これは積もった


 苛立ちだけでなく


 始めから


 個々の地下奥深くに


 眠って隠れて


 潜んでいただけ


 それがただ人前に出ただけ


 それがただ広がっていっただけ


 まるでウイルスのように


 まるでウイルスのように


 まるでウイルスのように


 便乗も同情も


 感染しきったその果ての


 薄ら寒さも越えた


 人の何かを


 ただ書き記したかった

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