スター・ドライブ・ドリーマーズッ!

ビト

大彗星に挑む

 ふっかけられた喧嘩は受けて立つ。

 天道龍征とはそういう男だった。拳を握り、逆境を打ち破る。龍を征すると名を賜った男は、己の道を貫き通すために邁進した。


「思えば、どこまでも遠くに来たもんだ」


 冗談めかして笑う。しかし、その胸の内には諦めなど一欠片すら無かった。

 マジの大マジ、ガチのガチンコ。彼は本気でこの喧嘩に挑んでいた。未熟な男が意地を張る。その相手は遥か巨大な大彗星。

 大彗星、ミズハノタキ。

 天に瞬く星を相手に喧嘩をふっかけた男。彼は不敵に笑い、拳を握り締める。


「隕石と力比べたぁ……熱いじゃねえか」


 相手にとって不足は無い。

 そんな強がりは、しかし男の胸を熱くさせたのも事実だった。


「あまり熱く成り過ぎるな」

「っったく、相変わらずバカなんだよなぁ!」


 その背中に二つの手が添えられる。一人じゃない。そんな心強さがさらに胸を焦がせる。


「悪い悪い――さぁて、征くかッ!」


 彗星相手に喧嘩を売るのだ。無事では済まない。命の保障は無く、地球を守りきれる保障も無い。三人の夢見人が絶望に踏み込んだ。

 だが――――。

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