お嬢様、流刑地に送られ婚約も破棄。でも最強になったら、ザマぁとかどうでも良くなってた
好きな言葉はタナボタ
第1部
第0話 「プロローグ」
「ねえシンジュロウさま、あの女との婚約破棄はまだなの?」
「あの女って誰のことだいハニー?」
「もちろんマキハタヤ・マリカのことよ」
無意味にとぼけるシンジュロウにメイは苛立たされた。 シンジュロウは外見こそエレガントだが中身はくだらない男で、彼女をイラつかせてばかり。
それでも若手女優のメイがこうしてシンジュロウと密会を繰り返すのは、彼が都市国家サナキダの元首の息子だから。 メイの将来の夢はサナキダ元首夫人だ。
「あー、マリカね。 するよ。 破棄」
シンジュロウは婚約破棄に乗り気ではなかった。 マキハタヤ・マリカは都市国家アガマサラの名家の娘。 彼女との婚約を破棄した場合の影響は計り知れない。 できればマリカとの婚約は破棄したくない。 というよりも、破棄は現実的ではない。
「いつ?」
「何をそう焦ってるんだい?」
「焦ってなんかない!」
メイが焦っているのは年齢ゆえである。 メイは27才。 世間的にはまだまだ若いが、容色の衰えが気になりだす年頃でもある。 メイは自分の美しさが絶頂期にあるうちにシンジュロウの妻の座を確保したかった。
いつになく焦ったメイはかつてないほどにシンジュロウを問い詰め、とうとうシンジュロウは婚約破棄に具体的な期日を設定されてしまった。
「あと一ヶ月のうちにあの女との婚約を破棄してくれないなら、シンジュロウさま、あなたと別れます!」
◇❖◇❖◇❖◇
シンジュロウとメイのこの会話から2週間後のことである。 マキハタヤ家の令嬢マリカは下校中に4人のチンピラに自動車で拉致され、
マリカが警察に保護されたのは4時間後。 小屋の外に犯行に使われた自動車が停められていたが、チンピラたちの姿は見当たらなかった。
マリカは小屋の中で呆然自失でいるところを発見された。 衣服は無残に引き裂かれ、体中に無数の傷を負い、体の各所を男性の体液で汚されていた。 16才の乙女にとって、この上なく過酷な体験であった。
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