【完結】転生はもう結構です！ ✟100万回死んだ俺が最後の命で出来る事✟

第０話(２７.５話)：どうしてこうなった？

「「ファイアーッ！！」」

　両腕それぞれで抱えた四角い箱からエーテル……要するに魔力による砲弾を無数に発射。

　それらが白い軌跡を描いて一斉に空へ向かい、クソ野郎共へまっしぐら。

　危機を感じて回避しようとしてももう無駄だ。吾輩のエアッドによる追尾能力、そして私のターゲッティングからはどうやっても逃げられない……！

　ファイア！　ファイアファイアファイア！！

　轟音を響かせ青空をエーテル爆発によるエメラルドグリーンの花火が埋め尽くす。

「あぁ……大量虐殺って最高……！　イーッヒヒヒッ吾ァァ輩のォォ兵器はァァァ世ェェ界一ィィィィ！！」

　……死んでしまいたい。

　馬車に揺られながらすみっこに体育座りしながら考える。

　どうしてこうなった？

　仲間とダンジョンを探索していた筈が、いきなり殺されちゃうし。

　死の間際に思い出した前世の記憶……日本で高校生をやってた記憶。でもその人生も一人のイカレ女に殺されて終わる。

　そいつから逃げて異世界へ転生させてもらったのにそこでもあっさり殺されて、今は復讐の為にそいつらを追いかけている所なんだけど……。

　どうしてこうなった？

　今の私といったら、恐ろしい力を手に入れた代わりに頭の中に妙なのが住み着いたし、まだ童貞だっていうのに娘ができたし、まぁ可愛いからいいけど。それにめんどさい馬鹿の面倒もみなきゃならないし。

　どうしてこうなった？

　思ってたのと全然違う。

　こっちの世界で死ぬ間際まで前世の記憶なんてまったく無かったし、今だから分かる事なんだけど、日本人ってのはね、転生とか異世界ってもんに夢と希望が詰まってると思ってるもんなの。

　私は強い。

　確かに強くなったよ。

　だけどこの状態は絶対的に異世界でチート無双みたいなのじゃない。

　それに体育座りすると自分の胸が邪魔だし腰下まである髪の毛を尻の下に挟んじゃってて引っ張られて痛い。

　どうして……こうなった……？

　それもこれもみんな私を裏切ったあいつらのせいよ。

　次の街で奴等の足取りを掴んで、絶対に私がぶっ殺してやるんだから！

　謝ったってもう遅いんだからねーっ！

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第０話として追加しましたが、時系列的には２７話と２８話の間の話になります。

普通じゃない状況の彼(彼女)にいったい何が起きたのか、少しでも

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