第3話

「待って!ねぇ待ってってば!」



少女は少年の後を小走りに追いかけていた



「ちょっと!その先には感知システムがあるのよ!」



少女の言葉に無言を貫き、少年は早足で歩く



「カナタ!」



少女が少年の腕を掴んだ



「離せ」



「駄目よカナタ、管理主任にバレたら、処罰対象になるわ、お願いカナタ」



「処罰対象?俺は軍人じゃないんだ」



「何言ってるのよ、明日は入隊式でしょ、私も貴方も軍人になるのよ」



「俺は軍人なんか嫌だ、何が能力者だよ、石コロひとつ動かせないのに・・」



少年、いやカナタは俯いて言った



「能力検査で、私も貴方もサイキック適合者って出てしまったんだもの、それにカナタはテレパシーが送れるじゃない」



「ミサキ、お前の方が能力者じゃんか、衝撃波も転送移動も出来る、テレパシーだけ出来ても戦える訳じゃないんだ」



「兎に角、家へ帰りましょう」



ミサキと言われた少女は、カナタを連れ自宅のある居住区へと足を向けた


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