第15話 奇貨可居

 週末。

 麻璃亜の家に約束の時間に迎えに行き、玄関前で随分待たされた。


 遊園地へ電車とバスで移動する。アトラクションの数は少ない。家族連れがターゲットの施設テーマパークだった。


「駄犬! ジェットコースターから行くわよ!」

「テンション高いな」

『お嬢様! 下郎と御手を繋ぐなど! いけませんぞ!』

「五月蠅いわね! 最寄りのコインロッカーに詰め込むわよ!」

『お嬢様! それだけはなりませんぞ!』


 麻璃亜は急に声を潜め、


「お黙り。私には南天城みなみあまぎを護る義務があるの。貴方に私を護る責務があるように。今、。むしろ好機チャンスよ。

『…………主の、仰せのままに』

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