第25話 力をつけるため

あれから、時間がある時は誰にもバレないような場所を用意してもらいルードさんに魔法を教えてもらっている。まだ上手くコントロールは出来ないが最初よりはよくなってると思う。


「日に日に上手になっていますね。凄いです!」

「ルードさんの説明が分かりやすいおかげです。」

「いえいえ、そんな。少し休憩しましょうか」


この場所にはちょっとした、休憩場所があるのでそこでお茶を淹れてもらって休憩をした。普通はたくさん魔法を使ったら疲れるものだと思ったけど全く疲れがないもはや元気だ。これはやっぱり魔力の多さの違いだろうか。


「そろそろ、お部屋に戻って魔法についてお話しましょうか」

「はい!その前に帰りに図書館を寄ってもいいでしょうか?」

「勿論です。寄って行きましょう」


そのまま帰る前に図書館に魔法関連の本を借りに向かった。図書館に行くのは久しぶりでウィルさんとクレアさんに会うのが少し嬉しかったので足取りが軽い気がした。


「これはこれは、ツキノ様お久しぶりです。」


入った瞬間ウィルさんが気付いてくれた。クレアさんはここに居ないみたい。


「お久しぶりです。ウィルさん、今日は本を借りたいのですが…」

「分かりました、どのような本をお借りに?」

「魔法関連の本を…」

「そうですか、これがいいなどとの物はありましたか?」

「特にはなくて基礎と応用を一冊ずつ借りれたらなとしか考えていなかったのでオススメのものがあればそちらをお借りしたいです。」

「少々お待ちください。」


よくよく考えたら、魔法関連でも種類がある。どの本を借りようかまでは決めてなかった。でもきっとウィルさんが選んでくれたのであれば間違いなく私でも理解できるだろう。


「お待たせしました。この二冊なら分かりやすいと思います。」

「ありがとうございます。その二冊を借ります。期限は…」

「返せるときで大丈夫ですよ。その本は私の私物ですので」


まさかのウィルさん私物ですか?!でも返せるときでいいって言うのはありがたい。ここはお言葉に甘えて分かるまで使わせていただこう。


「お言葉に甘えて、なるべく早く返せるようにしますね。」

「勉強頑張ってください。」

「ありがとうございます。今日はこれで失礼します」


そう言って図書館を後にした。借りた本は重いだろうからとクリスタさんとレーナさんが持ってくれた。それから特に何も問題なく部屋まで戻ってこられたと思ったら。なんと部屋の前にルイ様がいてびっくりした。


「アオイさん、おかえりなさい。待ってました。」

「お待たせさせてたならすみません。どうぞ中へ」


なんでここに居るのか全く分からないが、とりあえず中にいれた。もしかして他人のフリ的なのしたのに怒っているのかな?恐る恐る要件を聞いてみる。


「ルイ様、先日は申し訳ございませんでした。今日はどのような御用でしょうか?」

「特に用はないです。アオイさんは今から何をするんですか?」


用がない?何のために私に会いに来たのだろう。私に会いに来た?いやもしかしたらグレンさんに会いに来たのかもしれない。深く考えると頭が回らないから。


「今からは、ルードさんに魔法を教えて貰うんです。」

「そうなんですか。私も参加しても?」

「別に私は大丈夫ですけど、ルードさんは…?」

「構いませんよ、断る理由なんてないですし」


ルードさんからも許可を貰い、魔法の授業を二人で受けることになった。当たり前の事だがルイ様も勿論魔法を使えるらしく知識は豊富だった。集中して受けているといつの間に夕方になっていた。


「そろそろ、おしまいにしましょうか」

「はい!ありがとうございました。」


そういえば、ルイ様のお時間大丈夫だったのだろうか?


「最後まで、付き合って頂きありがとうございました。時間は大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ、執務等は終わらせてきましたから。」

「今日は、本当にありがとうございました。楽しかったです!」

「私も楽しかったです。そういえば、母上からこの前の件で話がしたいと伝えて欲しいと」


数日経ったけどやっぱり耳にぐらい話は入るよね…いつでも話せるように近いうちに整理しなきゃな。伝えてくれただけでもありがたい。


「分かりましたとお伝えください。」

「私は、これで魔法頑張ってください」


今日はいつもより勉強漬けだったな。疲れたけどなんだか楽しかった。今日学んだことを紙にまとめ今日を終えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る