第321話 ひたすら移動
満天の星空の下、雑談をしながらどんどん駆けていくのです! 目指せ、高原エリアの東端!
「さーて、色々と再発動していきましょう! 『見切り』『看破』『疾走』!」
これで移動速度は少し早くして移動なのさー! いっけー!
「急加速、開始です!」
この辺になってきたら、看破で見える敵のLvが26~28くらいになってきたね! でもまぁ今は出来るだけ敵を避けるように駆けていくのみ! 移動だけでも結構時間かかってるのに、戦闘までしてると配信時間内に間に合わなくなっちゃう!
サツキ : ここで急加速! サクラちゃん、いっけー!
咲夜 : そのまま突っ走れー!
こんにゃく : 残り時間も少ないぞー! 急げー!
水無月 : ただの移動だけでも、結構時間はかかってるね?
ミナト : なんだかんだで結構な広さはあるからねー! 実はゲーム的な処理で、エリアの配置と実際の移動距離から分かるエリアの範囲って違ったりするんだよ?
「え、そうなんです!? それ、初耳なんですけど!?」
全力で疾走し続けてるし、前よりもしっかりと踏みしめて力強く走れてるのに、それでもまだ3分の2しか進んでないのって、もしかしてそれが理由なの!?
ミツルギ : あー、その手の事は空を飛べる種族だと実感しやすいぞ。
富岳 : エリアの踏破のしやすさで、微妙な差異がある部分だな。まぁゲーム的にエリアの繋がりが分かりやすいように、エリア配置の方で調整されてるぞ。
ミナト : 分かりやすい例なら……サクラちゃん、渓流エリアと高原エリア、同じ広さだと思う?
「え、渓流エリアとここですか? ……どう考えてもここの方が広い気がします!」
というか、渓流エリアがここの高原エリアみたいに広かったら嫌ー!? 川の中は根本的にまともに進めなかったり、川の近くは足場が悪くて進みにくかったり、それ以外の場所はライオンじゃまともに進めないような森だったもん! それがこんなに広いとか……。
「あ、ちょっと考えてみたら納得です! 進みやすい場所と進みにくい場所で広さが違わないと、悲惨なエリアが出てきそうですもんね!」
そっか、そっか! モンエボはあくまでゲームだもんね! 実際の移動距離と、エリアの位置の距離が食い違ってたって、別に問題はなーい!
神楽 : オフライン版はそういう風になってるんだ!? オンライン版は、距離はそういう違いは無かった気がする?
G : あー、一部の連中が無粋なツッコミを入れまくってたからなー。マップの繋がり通りの距離にしろって……。
ミツルギ : そうなんだよな。まぁその分、オンライン版は移動手段自体が多彩になってるから、不便も感じないけど。
富岳 : 使用制限はあるが、転移用のアイテムもあるしな。いざとなれば、課金アイテムで移動時間は短縮できる。
金金金 : へぇ、そんな事があったのか。なるほど、だから有料の『転移の実』か。
「オンライン版にはそんな課金アイテムがあるんですねー! その『転移の実』って、オフライン版にもあるんです?」
名前の通りに転移が出来そうなアイテムだけど、有料アイテムとかあるんだねー! うーん、でもゲームの中で移動する為にお金をかけるのって、なんか嫌だなぁ……。
金金金 : なんか嫌そうな狐っ娘アバター!? え、何か嫌になる要素ってあった!?
ミツルギ : あー、課金絡みか? 別に無駄遣いしまくらなければ、ゲーム内でもそれなりの個数は手に入る程度のアイテムだぞ。
ミナト : ガンガン使いたい人だけ使えば良い感じのバランスにはなってるから、特に問題になるようなものではないよー?
ヤツメウナギ : まぁ一時期、ゲーム全般で課金アイテムのぼったくりの酷い時期もあったからなぁ。
咲夜 : あった、あった! 今は有料でのアイテムやキャラの抽選は禁止になってるんだよなー。金額を自重しないゲーム会社が多過ぎて……。
富岳 : 今の課金は明確に効果が判明してる類になってるからな。まぁその分、完全な基本無料も減りはしたが。
G : フルダイブで色んな試供品を配れるようになって、宣伝効果が大きくなってるのも影響してるだろうけどな。スポンサーが入ってるのも結構多い。
イガイガ : ゲームによっては、回復用の食べ物系アイテムは全て実際にあるものの味だったりするし。
こんにゃく : というか、オンライン版をしてないサクラちゃんが気にしても仕方ないような?
「その辺の規制って色々あったみたいですもんねー! まぁその辺は気にしないでおきましょうか!」
私が小さな頃、姉さんが課金でお金を使い過ぎて怒られてたのを見た覚えがあるもん! 凄い薄っすらとした記憶だから、何歳くらいの時だろ? うーん、姉さんが今の私くらいの頃かな?
多分、今の話題で姉さんが何もコメントをしてきてないのはそこら辺にありそう! まぁそこら辺には触れずにおこうっと!
チャガ : ちなみにオフライン版には『転移の実』は存在しないぞ。まぁ根本的に敵の出現方法がオンライン版とオフライン版だと、全くの別物だからな。
ミツルギ : 性能としては『再誕の道標』に近いぞ。正確にはもうちょい違うんだけど、あれの死ななくても使えるやつって感じだ。
神楽 : 『再誕の道標』ってなーに?
サツキ : そこはアーカイブをご覧ください!
「そこは下手に説明するよりも、実際に見てもらった方が良い気がしますねー! なるほど、『再誕の道標』が死ななくても使える感じですかー!」
それは便利そうだけど、あれが課金アイテムかー。うーん、オンライン版とオフライン版での違いが明確に分からないから、やってない私がどうこう言える内容じゃない気がしてきた! 知らない私がとやかく言うのは、筋違いなのかもね。
「あ、雑談をしてる間に結構東端が近付いてきましたね! ここからなら、縄張りを使っても東端まで届くんじゃないですかねー?」
G : あ、確かにそうだな。
咲夜 : 残りの距離は、それで駆け抜けるのが早い?
ミツルギ : Lv30の敵だけは注意が必要だけど、まぁそれ以外なら問題ないな。
富岳 : 問題はLv30の敵がどれだけいるかだが……数がいれば、厄介だとは言っておこうか。
ミナト : 状況次第では、Lv30を複数体を同時に相手にはなるかもねー!
「はっ!? 確かにそれはそうですね!? うーん、なんか嫌な予感がするので、今は止めておきましょうか」
縄張りで最後の距離を駆け抜ける作戦は却下! 同格の相手との乱戦は、今は求めてないからー! そういうのは雷雲がある時にしてもらってもいいですかねー?
むぅ、変にこのタイミングで死ぬわけにもいかないから、今は仕方ないかな……。ん? 雷雲……というか雨?
「……そういえば、雨で濡れてる場所が無かったような気がするんですけど、なんでです? あれだけ雨が降ってましたけど……?」
ミナト : その場所なら、普通に通ってきてたよ?
こんにゃく : というか、雷雲の下で暴れてた場所も普通に通ってきてたしな。
「え、そうなんです!? 泥濘んだ場所を通った覚えがないんですけど……? あ、でもマップの踏破状況的にはそうなってます?」
あれー? 雷雲の下で動いてた時は足元が滑りやすくなってたのに、そんな事が全然無かったのはなんでー!?
金金金 : 不思議そうな狐っ娘アバター! それで、具体的な理由は? 今回のはサクラちゃんが単純に見落としてた訳でもないんだろ?
ミツルギ : まぁそうなるか。サクラちゃん、この高原エリアでは草花系の種族が多かったのは気付いてるよな?
イガイガ : あぁ、そうか! その辺、サクラちゃんはまだ遭遇してないのか。
いなり寿司 : 言われてみれば、確かにそうだな。少しネタバレ案件になりそうな部分ではあるけど、その辺は聞くか?
「あ、はい! それは実感してましたけど……それって何か関係あるんです? その辺は確認しておきたいので、お願いします!」
何も気付かずにスルーして通り過ぎちゃってるし、このくらいなら聞いても大丈夫なはず! うーん、敵を避ける感じで移動してたから、その辺の様子をちゃんと確認出来てなかったのは反省……。
ミツルギ : それじゃ簡単に説明するぞ。大半の草花系の種族……厳密には樹木系の種族も含むんだが、その生命のスキルツリーの中に『水分吸収』というスキルがある。
G : サクラちゃんは、実況外のプレイの木の育成でスキル名くらいは見た事があるはずだな。
「……そういえば、そんなのもあったような気がします?」
んー? 水分吸収って……え、もしかしてそのままの意味だったりするの!? あはは、いくらなんでもそんな単純な話な訳……普通にありそうな気がしてきた!?
「あのー、水分吸収で濡れてた地面の水分が全て吸収されたとか、そういう話だったりします?」
ミツルギ : まぁ簡単に言えばそうなるな。『水分吸収』で生命が回復出来るから、こういう雨で地面が濡れてる場合は結構注意した方がいい部分だぞ。
富岳 : 一部の例外として、元々が水中にいる草花系の種族のスキルツリーには存在しないスキルにはなる。
神奈月 : サクラちゃんが遭遇した範囲でなら、ワサビやハス辺りは使えんやつだ。
水無月 : えーと、それじゃそういう種族が水分を吸い尽くしちゃって乾いちゃった感じなの?
真実とは何か : それが真実なのである!
「割と単純な話でしたね!? でも、そういう内容なら納得です!」
そっか、草花系の種族が多ければ、雨が降ってもその分だけあっという間に水分が吸われちゃうんだね! というか、そんな方法で回復する事が出来たんだ!
これって、この後にやる木の育成にとっていい情報なのかも! うふふ、聞いておいて正解だったね!
「あ、疾走が切れましたね! でも、もう少しで到着ですから、頑張っていきましょう!」
目的地の東端まで、もうあと少し! 急加速をしたのは結局最初だけだったけど、まぁそこはいいや! 見切りは既に切れてて、看破ももう少しで切れちゃいそうだね。敵のLvも28~29と高めになってきた!
看破が切れたら再発動して、敵を避けながら東端まで進んでいくぞー! そこまでやったら、今日の配信はもう終わりにする時間だねー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます