第251話 水晶の使い方
なんか湧き水の中から水晶が出てきたけど、皆さんの反応が微妙? レアアイテムではあるみたいだけど、その割には良い反応じゃないよね。うーん、どういうアイテム?
「これ、何に使うんですかねー?」
ミツルギ : 水晶というか、宝石系のアイテムは特殊進化用のアイテムなんだよ。『装飾進化』ってやつ。
イガイガ : 色んな種類はあるやつではあるぞー。
神奈月 : あれなぁ……。
金金金 : 『装飾進化』か。初めて聞いたな。
「おぉ!? 『装飾進化』ですか!」
適応進化以外にも出たよ、特殊進化! でも、それがなんで微妙な反応なんだろ? あっ!? もしかして、適応進化が無効になっちゃうとかそういうやつ!? もしそうなら、それは困るよ!? そこは確認しとかないと!
「もしかして、適応進化の悪影響があります?」
富岳 : 直球に言うなら、2種類の特殊進化は重ねられないから適応進化は解除になる。だから、思いっきり悪影響だな。
金金金 : 駄目じゃねぇか!?
咲夜 : いやいや、駄目な部分はそこだけじゃないって!
ミツルギ : この特殊進化、見た目が変わるだけっていう進化なんだよ。気分転換には良いんだけど、実用性があるかというと全然で……。
イガイガ : まぁ不要になった適応進化をリセットするのには使えるかー。
「え、そうなんです!? 見た目を変える為だけに、雷への適応進化を消すとかあり得ないですよ!」
消えないなら見た目の変更が出来るのは楽しそうだけど、その悪影響は論外過ぎる! 皆さんが変な反応をしてた理由が分かったよ! というか、自分の姿は殆ど見えないのに意味がないような気もする?
「参考までに聞きますけど、ライオンならどんな風に見た目が変わります?」
水無月 : それ、気になる!
いなり寿司 : ライオンで水晶だと、爪や牙が白っぽく透き通るとかだっけ?
チャガ : それに加えて、全身の毛が少しだけ透けるようになるな。
金金金 : あー、そういう感じなのか。
ミナト : 宝石の色によって、どういう色になるかが変わる感じだねー!
G : 昆虫にダイヤモンドを使って光沢を出すとかあるぞー!
こんにゃく : ルビーを使って、フナを金魚にするとかもいけるか。
「あ、そう聞くと面白そうな気もしますね」
自分の全身は見れないけど、爪はよく見る部分だし気分転換には良さそう! でも、雷の適応進化を捨てる程の価値はなーい!
うーん、折角手に入れたのに、ちょっと残念……。木の方で手に入れる事があったら、そっちで試してみようかなー? うん、そうしよう! 多分、適応進化が発生してない状態なら楽しいやつ!
ミナト : あ、でも今のサクラちゃんには別の使い道の方が役立つね。
G : あー、そういやそうか。でも、それってネタバレじゃね?
金金金 : おっ、何か他にも用途があるのか。
富岳 : ネタバレな上に、今すぐに必要なものでもないけどな。
ミナト : そうなんだよねー。サクラちゃん、その辺の話は聞く? ネタバレにはなっちゃうけど。
「凄い気になりますね、それ!? ちょっと考えさせてください!」
今すぐ使う感じじゃないけど、その内必要になりそうな様子ではあるよね? でも、完全にそれはネタバレ案件。内容はすごーく気になるけど、これを聞くのは本当にどうしよう?
どう考えても雷への適応進化を消して、見た目を変えるだけの装飾進化って特殊進化には使えないし……あれ? ちょっと待って、何かが引っ掛かったよ? なんだろう? 何が引っ掛かって……。
「あー!? もしかして、次の進化の際に適応進化を引き継ぐ為に必要なアイテムだったりします!? 確か、未成体へは特に必要ないって話でしたもんね!」
未成体へは必要ないという事は、それより先には何かが必要だって事! それがこの水晶だという可能性は、十分過ぎるほどにある!
ミナト : あら、説明しなくても答えに辿り着いちゃった。
ミツルギ : サクラちゃんの推測で大当たりだぞ。
「あ、やっぱりそうなんですね! それなら良いものを手に入れました!」
ふふーん、雷の適応進化を維持したまま次の進化をするのに必要なら、今ここで手に入れた事は相当ラッキーだよね! 維持はしたいから、進化する時になって慌てて探す必要が無くなったんだもん!
富岳 : あー、宝石系のアイテムが必要なのは必要なんだが、それだけじゃ足りてないぞ。他にも必要なものがある。
「え、そうなんです!? もうここまで聞いたらネタバレも何もない気がするので、普通に教えてもらって良いですか!?」
次の進化になるLvがいくつになるのか分からないし、他に必要なものがどこにあるかも分からない! だけど、ここまで聞いたのならその情報は確定しておきたいよ!
富岳 : その水晶……宝石系のアイテムは一時的に適応進化の状態を移しておく受け皿だ。次の進化階位の姿になる時に、適応進化を維持する為にはそれを増幅させるものが必要になる。
ミツルギ : 『増幅草』ってのがあって、それを進化の際に使うんだよ。未成体に進化したらどこのエリアでも手に入るものではあるんだが……入手率がとんでもなく低い。
いなり寿司 : 比較的手に入りやすい場所が、今いる湧き水みたいな採集場所なんだけどなー。
金金金 : ほほう、そういう感じか!
「なるほど、ここで手に入るレアアイテムは、その『増幅草』がメインの目的って感じなんですね。そうなると、この水晶みたいな宝石系のアイテムはもっと気軽に手に入る感じです?」
水晶自体もレアだとは言ってたけど、この感じだとその『増幅草』って草の方が相当貴重っぽい! なんというか、ここは聞いておいて正解だった気がする。そうじゃないと、雷の適応進化を維持する条件を満たすのが厳しかったかも……って、まだ条件達成は出来てないよ!
ミナト : えっとね、宝石系のアイテムと『増幅草』の入手率自体は大して変わらないんだけどねー。ただ、宝石系は種類があって使うのは別にどの宝石でも問題はないから、適応進化の維持の為には『増幅草』の入手の方が難しいんだよね。
イガイガ : 適応進化の種類によっては、進化してから条件を満たし直す方が早かったりするからなー。
咲夜 : いくらやっても見つからなくて、維持は諦めて進化させたこともあるなぁ……。
チャガ : 未成体の次からは、適応進化の維持は地味に鬼門になってくるからな。
「そうなんですか!? それは中々に厄介ですね……」
うーん、まさか次の進化にそんな条件あるなんて想像もしてなかったよ。雷の適応進化を維持するのに必要なアイテムが2つで、入手確率の低い方がまだ手に入ってないって事なんだよね。上手く進化までに手に入れば良いけど、ここは運任せになりそう。
咲夜 : てか、もう1つの使い方は言わなくていいのか? あれは今でも使えるよな?
G : 使えるけど、サクラちゃんがその用途で使うか?
こんにゃく : 見てる限りでは、使いそうにはないよなー。
ミツルギ : ありっちゃありなんだけど、今使うのもあんまりおススメはしたくないとこだな。
サツキ : 他の使い方ってなーに?
真実とは何か : その真実は左下にある!
「なんだか気になりますね? って、ヘルプの項目追加の通知が出てるじゃないですか!?」
真実さんが何を言ってるのかと思ったら、間違いなくこれの事ー! えっと、ここは聞かずに追加されたヘルプで確認してみようっと! 追加されたのは『装飾進化について』と『適応進化の保存について』の2種類……? あれ? 次の進化の為に必要って内容は無いのかな?
ミツルギ : あ、適応進化の維持については、未成体の最大Lvになった時に適応進化をしてる場合で初めて分かるからなー! だから、今の段階では完全にネタバレ。
いなり寿司 : さっき咲夜さんが言ったのは『適応進化の保存について』の方だ。
咲夜 : そう、それ! もうヘルプに項目が追加されたんだし、内容までは言ってないしネタバレじゃないよな!?
イガイガ : 残念ながらネタバレじゃないな……。
G : これに関してはそうなるか……。
咲夜 : なんでそこで残念ながらなんだよ!?
「状況は把握です! それじゃちょっと『適応進化の保存について』を見てみますねー!」
項目名からして結構内容は気になるところ。えーと、何々? 宝石に分類されるアイテムに、今の適応進化の状態を移す事が出来る……? 使い捨てにはなるけど、その状態を戻す事も可能! え、これって凄くない!?
「これって、適応進化の上書きを心配しなくて良くなるやつですか!?」
要は私の持ってる水晶の中に、今の雷の適応進化を保存する事が出来るんだよね! もし他の適応進化が発生しても、これに保存しておけば、元に戻せるんだ!
ミナト : うん、まぁそれは凄いんだけどね。ただ、今の適応進化は使えなくなるよ?
富岳 : ついでに言えば、使い捨てだからな。次の進化まで取っておくならそれでも構わんが、それまで雷纏いや放電は使えなくなるし、戻せば再び宝石系アイテムを手に入れる必要があるぞ。
いなり寿司 : 宝石の中にコピーするんじゃなくて、移すだけだからなー。
「わー!? それって全然駄目じゃないですかー!? そういう事なら、進化の時まで水晶はアイテム欄の中に眠っておいてもらいます!」
便利そうだと思ったけど、雷纏いと放電が使えなくなるなら無し! 重要な主力スキルをわざわざ使えなくするなんて真似は出来ないよ!
うぅ、結局水晶は手に入れるだけで、今は使えないアイテムかー。でも、後々必要になってくるなら良しとしよう! 適応進化の維持に必要だっていうもう1つの『増幅草』、早めに手に入ればいいなー。
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