第219話 今回の配信はここまで!
何体か植わったままのワサビを刺激しないように、そろーり、そろーりと進んでいくのですよ。今日の配信時間はもう残り少ないから、マップの南端まで辿り着いたらそこで終わりー!
「……なんだか、こうやってコソコソ動いてると悪い事をしている気分ですねー」
うん、なんというか泥棒になって逃げてる気分。あれだよね、隠れて進んでいくゲームをやってるような感覚! やった事はないけどVRかくれんぼとか、オンラインのでそういうのがあったよねー。オフラインなら怪盗になってお宝を盗んでいくってゲームもあったっけ。
ミツルギ : ん? ワサビの群生地で採集出来るだけ採集して立ち去ろうとしてるんだから、ある意味間違ってないじゃ?
サツキ : サクラちゃんがワサビ泥棒!?
咲夜 : あー、言われてみればそうかも?
「確かに間違ってない気はしますけど、サツキさん言い方ー! 咲夜さんも同意しないでくださいよ!?」
正直、私もそれで納得しそうにはなったけど、それでも泥棒認定は嫌ー!? はっ!? そんなに大声を出さないで、大人しく通り過ぎないと! 声に反応してくるなら既に襲ってきてそうだから大丈夫だと思うけど、ここでの乱戦は時間的に避けたい!
もしこのワサビたちと戦うのなら、実況外でのプレイで時間を飛ばしてからだー! その後なら、乱戦は望むところなのですよ! 才智も見当たらないしね!
富岳 : なるほど、ここで敵のワサビを襲えば強盗にもなるのか。
イガイガ : 言われてみればそうなるな?
こんにゃく : ゲームの採集と敵の撃破を、泥棒とか強盗って言うのはどうなんだ!?
水無月 : でも、RPGをやってると主人公一行って、不法侵入とか窃盗ってやってるよねー!
名無しのカカシ : まぁその辺は昔のゲームからのお約束ではあるけども……。
いなり寿司 : そういう些細な民家とかに入れないゲームが多かった時期もあったけどな。
チャガ : あー、フルダイブのゲームの出始めの頃か。
サツキ : あの頃って、開発側の人達がまだ不慣れで作り込む余裕がなかった……っていう話は聞いたことあるねー!
ミツルギ : そういやそんな噂もあったなー。開発費が高騰してて、手抜きだとかって話もあったか。
「なんでそういう話になってるんですかねー!? というか、私もその手のなんか手抜きっぽいなーって思うゲームをしたことありますけど、そういう理由だったんですね!」
姉さんの話は、多分開発さんから直接聞いた話だったんだろうね! そしてあの変な間は旦那さんに怒られたとみた! 私はゲームはただ遊ぶだけだけど、開発さんも大変なんだねー。
「そうしている間に、マップの南端へ到着です! 今回は割と早かったですね!」
昨日の丘陵エリアは進むべき指標もない上に、ただひたすらに広かったから余計にそう感じる気がする! 何度かランダムリスポーンしてるし、途中でヘビから逃げ回ったりしてるから、正確な距離感も分からないけど。
ミツルギ : まぁ、ここの湿原エリアの森の部分は実際狭いからなー。
ミナト : あくまで水場の方がメインだから、あっちの方が広いんだよねー。
「え、あ、そうなんです!?」
まさかの普通に狭かったという話だったー!? あ、でも森の中と拓けた湿原じゃ、見通しが違い過ぎるから、具体的な広さの実感が分かりにくいのかも?
「むぅ……そう聞くと、なんだか損した気もします……」
さっきのワサビはこのエリアの特有の感じがしてよかったけど、それでも湿原の醍醐味を……醍醐味? 泥に埋まって殺されたり、窒息しかけた覚えがあるね。あれは……うん、醍醐味ではない!
こんにゃく : 湿原エリアを楽しみたいなら、ライオンは不向きだな。正確にはライオンというよりは大型動物系。
名無しのカカシ : ここは泳げる小動物系が楽しいとこだな。
ミナト : 川以外の部分なら水の流れがあまりないから、プール感覚でのんびりするのが良い感じだねー!
神奈月 : 小動物なら、足場の悪さはそんなに影響が出ないしな。
「おー! それは確かに楽しそうですね!」
そっか、そっか! そりゃライオンみたいな大型の動物よりは、小型の動物の方がこういう場所では身動きは取りやすそうだもんね! うん、この湿原エリアを存分に楽しむのは、また他の種族でやってきた時にしよう!
「さてと、もう今日は残り時間も僅かなので、最後にステータスとスキルの一覧を表示して〆にしますねー!」
なんとかギリギリではあるけど、その時間くらいは確保出来た! まずはステータスの表示から!
【ステータス】
名前:サクラ
種族:巧みなライオン【雷】
進化階位:未成体
Lv:7
生命 : 790
屈強 : 119
堅牢 : 93
俊敏 : 109
器用 : 143
知恵 : 102
「こうして見てみると、飛びぬけて器用が高いですねー! ある程度は補いましたけど、それでもまだ堅牢が他に比べると低いのが気になりますけども……」
うーん、もう少し堅牢のステータスも解放していこうかな? でも、先に第3段階のステータスを全て解放しておきたいし、その辺は悩むところ。これより先のスキルツリーは解放の為の進化ポイントがどんどん増えてくるしねー。
こんにゃく : ライオンとは思えない器用の高さだなー。だけど、放電を使うのなら決して悪いステータスではないのか。
名無しのカカシ : 確かに今日の戦い方を見てたら、決して悪くはないバランスか。もうちょい堅牢が欲しいとこではあるが……。
ミツルギ : まぁその辺はサクラちゃんも思ってるみたいだし、進化ポイントが溜まってきたら補えばいいとこだな。
「そうしていきたいとこですねー!」
まぁ悩んだらまたサイコロで決めるから、堅牢が上がってくれるかは運任せなとこもあるけど! でも、本当に重要だと思った時は運任せにはしないから、そこは大丈夫かな? うん、まぁなるようになれだー!
「さてと、次はスキルの一覧です! 時間もないのでサクッといきましょう!」
少しくらいの時間オーバーなら何とかなるけど、それでもあんまり予定時間を過ぎたくはないからね! そうやってズルズルと時間を伸ばしていけば、それが常態化しちゃうもん!
【所持スキルの一覧】
所持進化ポイント:3
《攻撃スキル》
屈強:『爪撃Lv3』『噛みつきLv3』
堅牢:『体当たりLv3』
俊敏:『連爪Lv3』
器用:『獅子咆哮Lv2』
系統外:『投擲Lv3』『振り回しLv2』『雷纏いLv1』『放電Lv2』
《補助スキル(アクティブスキル)》
堅牢:『身構えLv1』
俊敏:『疾走Lv2』
器用:『威嚇Lv1』『咆哮Lv2』
知恵:『識別Lv1』『看破Lv2』
《補助スキル(パッシブスキル)》
生命:『死亡還元』『再生強化Ⅰ』『再生増幅Ⅰ』『捕食還元』『捕食回復Ⅰ』
器用:『戦意の纏い』『衝撃波生成』
知恵:『夜目』『解析略化』『異常耐性Ⅰ』『出血効果』
系統外:『遊泳』『跳躍強化』『麻痺耐性』
ふふーん、今日はいくつかスキルが増えたもんね! 増えたのは攻撃スキルじゃなくて、補助のパッシブスキルばっかだったけど、色々と便利になるスキルが増えました!
「スキルの方は中々充実してきましたね! 明日辺りには、第7段階の攻撃用のスキルを1つくらい解放したいとこです!」
そこまで出来るかは分からないけど、目標にしておくのはいいよね! よーし、そのつもりで頑張っていこー! まぁその為には前提の部分を解放していかなきゃだけど。
サツキ : 明日の目標は、それで決定だねー!
金金金 : 今日も楽しかったぞー! 【500】
ミナト : 始める時はちょっと心配だったけど、なんとか無事に済んだね。【1000】
ミツルギ : サクラちゃん、お疲れ様っと。
神奈月 : お疲れさん!
水無月 : 楽しかったよー! 見に来てよかった!【500】
こんにゃく : いやー、全然予想したのとは違ってたな。
名無しのカカシ : だなー。だが、楽しかったぞ。
ずっと寝ていたい : 見に来てよかった。
「いえいえ、そう言ってくれるとありがたいですよ! 投げ銭もありがとうございます!」
うふふ、今日は投げ銭で2000円だー! これでまた学校帰りにコンビニデザートでも買って、SNSに載せちゃおうかなー? 思った以上にあれにも反応あるし、そういうのもいいのかも!
おっと、もう時間が危ないからそろそろ完全に〆ないと駄目だね。
「それでは今日はここまでです! 明日も今日と同じ時間から始めていきますね! いつものあれ用の笊の制作が間に合えば、明日から使っていきますのでお楽しみに! 皆様、ご視聴ありがとうございました!」
という事で、今日はこれで配信は終わり! 配信の終了ボタンをポチっとね!
<配信のアーカイブを保存しますか?>
ここで保存しないなんて選択肢があるの? そんなものはある訳ないから、保存ですとも! 保存、保存!
<サムネイルを手動で設定しますか?>
ふふーん、今日のサムネイルはもう決めてるもんね! まぁちょっと前に撮ったばかりだけど、ワサビの群生地のスクショなのですよ! 私が原因だったとはいえ、味方になってくれなかった樫の木は却下!
<配信のアーカイブを保存しました>
<保存したアーカイブへのURLを連携機能で通知しますか?>
もちろん、ここも通知はしておくのです! ふっふっふ、姉さんの騒動で見に来る人は増えてるんだから、私自身に興味を持ってもらう為にもその辺はしっかりやっておこー! 姉さんは姉さん、私は私! それは自分でしっかり示していくのです!
<通知を送信しました>
よーし、これでアーカイブの保存作業は終了! 今日の晩御飯はなんだろなー? お腹空いたー!
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