第150話 進化ポイントの荒稼ぎ


「再使用時間が過ぎたので、『看破』発動です!」


 さっきの場所から少し北の方に移動してきたら、Lv4~7くらいまでの敵が多くなってきた! 看破が使えない間は敵を見つけても自重してたけど、ここが私の目指していた乱獲ポイント!


「さて、どんどん倒していきますよー! 『爪撃』!」


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


「とりあえずここでの1体目のヘビを撃破です! 本当に1撃ですね!」


 知恵あるヘビだったけど、そんなのお構いなしに1撃で倒せたよ! ふっふっふ、これは楽勝過ぎだよねー!


「というか、こういう場所があるなら時間を飛ばし過ぎて詰むとかって本当にあるんです?」


 明らかに私よりも圧倒的に弱い敵がこんな風に普通に存在してるし、少し戻ればどうとでもなるよねー? うーん、その辺は謎!


ミツルギ : 時間を飛ばし過ぎたら、離れた位置の雑魚敵も育つからな。それこそ、ここの雑魚が今のサクラちゃんのLvに匹敵するか、上回るくらいに。

富岳 : その時には本来なら適性の場所は、遥か格上の存在になってるがな。

チャガ : サクラちゃん、1つネタバレに近いが警告をしておこう。現時点で、今のライオンのセーブデータの中にもう幼生体は存在していない。


「あ、そういう感じなんですね。え、幼生体ってもういないんです!?」


 まさかの幼生体は既に存在しない発言! それに前に言われたどうしようもない詰み方を疑ったけど、今相手にしてる雑魚敵すらも格上になるって話なの? それってどうしようもなく強くないですかねー!?

 うん、改めて時間の飛ばし方……あれ? そういえば時間を飛ばすのってエリアボスを倒す必要があるんだよね?


「……今ふと思ったんですけど、私の育ててる桜の木ってどうやってエリアボスと戦ったらいいんです? 『体当たり』!」


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


 今する話ではない気もするけど、気になったからには聞いておきたいよね! 動かない木でどうやってエリアボスを倒したらいいんだろ? エリアボスが倒せないと時間が飛ばせないし…。。


サツキ : そういえば、あれってどうやるの?

ミツルギ : 盛大にネタバレ案件だけど、ここは説明してもいいんだよな?


「はい、お願いします! 『噛みつき』!」


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


 木の育成については完全に実況外でやってるし、これくらいは聞いてみてもいいよね! あの桜の木は移動させないんだから、エリアボスを倒して時間を進めないと次が困るもん!


ミツルギ : よし、そういう事なら教えよう。木には知恵のスキルツリーの第4段階に『範囲拡大』というパッシブスキルが存在する。本体のLvに合わせて、色んな射程が伸びるスキルだ。

ミナト : 遠くも見えるようになるし、色んなスキルの効果範囲が広がるから、それを使っていく感じだねー!

咲夜 : 地味に遠距離から一方的な攻撃になるやつな!


「おぉ!? そんなのがあるんですか!」


 ふむふむ、知恵のスキルツリーの第4段階って事は成長体になって初めて解放されるって事なんだね! よーし、今日の実況外で木を育てる時にその辺を確かめてみようっと!

 さてと、どうにかする手段は分かったから具体的な内容については今じゃなくていいや! ともかく今はもっと敵を倒して進化ポイントを溜めていくのです!


「というか、逃げられまくってますねー! 『放電』!」


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


 見つけた敵を追いかけまわしながら倒しつつ話をしてたけど、倒した数より逃げられた数の方が多いよねー。うん、まぁそりゃ逃げるとは思うけど!


いなり寿司 : まぁ全部を倒そうって方が無茶だしなー。

サツキ : 獅子咆哮で一気に殲滅とかじゃダメなのー?

富岳 : 広範囲スキルは場所による。ここだと、獅子咆哮の射程圏内に入ったら敵は逃げるから無理だな。

チャガ : 逆に言えば、気付かれずに溜めが完了出来ればチャンスはある。

サツキ : あ、そうなんだ。

金金金 : まぁあの威力の範囲スキルだとそうなるか。


「それ、難しくないですかねー!?」


 獅子咆哮の射程内にいて、その上で雑魚敵が逃げないようにしなきゃいけないんだよね。……近付いただけで逃げていく現状で、それはどう考えても無理だよね!? 溜めながら移動が出来るならともかく……あ、これならどうなんだろ?


「広範囲攻撃を放電でするならどうですか!? というか、やってみます! 『放電』!」


 ふっふっふ、獅子咆哮が無理なのだとしても、最大まで溜めた放電でなら敵を分散させても威力は足りるはず! という事で、実際にやってみよー!


ミツルギ : ……溜めてる間に攻撃した方が早いけどな?

咲夜 : というか、それって地味に狙いが難しいから!

チャガ : まぁサクラちゃんのマニュアル操作の精度なら、普通に出来そうではあるな。

富岳 : 確かにそれは言える。

ミナト : あはは、まぁマニュアル操作だと射程距離も伸びるからねー。

サツキ : サクラちゃん、思いっきりやっちゃえー!


「え、これって難しいんです!?」


 あ、でも確かに同時に沢山の敵を狙わなきゃいけないんだから、言われてみたら難しいのかも? それにしても地味にマニュアル操作だと射程が伸びるんだ! うふふ、その仕様はありがたいねー!


「まぁもう発動しちゃってるんで、やるだけやってみますね!」


 今更止めても仕方ないし、ここは出来るだけの事をやってみるのみ! 難しいと言われても、実際にやってみないと分からない! というか、看破で出てる表示が目印になるし、そう難しくもないんじゃないかなー?


「とりあえずここの敵には逃げ去られたので、少し移動します!」


 放電の溜めをしながら逃げ去った敵がいない方向に移動! 気付かれて逃げられたら台無しだから、移動は慎重に!

 えーと、私の方から一方的に狙える位置が良い……あ、先が途切れてる場所がある! こういう場所は何度か見たけど、低めの崖みたいになってるんだよね! その上から下を見下ろせば、気付かれずに狙えるかも!


「さーて、ここからはどうですかねー? おぉ、良い感じです!」


 崖ではなかったけど、獅子咆哮でイタチを狙った時と同じくらいな斜面にはなってる! うふふ、その先にウサギ、ヘビ、草花、ネズミと色々いるねー! 6体くらいは看破で存在が確認出来たし、これは大チャンス! でも、地味に獅子咆哮では届かないのが半数以上だねー。


神奈月 : おぉ、良い感じじゃん!

ミナト : 獅子咆哮だと倒し切れないけど、放電をちゃんと当てられれば全部倒せそうだねー!

いなり寿司 : そろそろ放電の溜めも完了か。

ミツルギ : こりゃ大チャンスか!

金金金 : サクラちゃん、やっちまえー!

サツキ : やっちゃえ、サクラちゃん!


「はい! 一気に全部仕留めますよー!」


 放電の溜めも丁度終わった! 敵を狙うというよりは、看破の表示のすぐ近くに向かって電気が枝分かれして飛んでいくイメージ! 一気に進化ポイントを貰いますよ!


「放電開始です! いっけー!」


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


金金金 : お見事!

神奈月 : 難なく全部当てたなー!

チャガ : やはりマニュアル操作はサクラちゃんの得意分野だな。


 おぉ! 放電が狙ったところに全部放たれていって、一気に仕留めるのに成功だー! うふふ、難しいと言ってたけど意外と簡単だったよ!


「撃破完了です! 進化ポイントが美味しいですねー!」


 これで進化ポイントはいくつになったんだろ? うん、まぁそれは後で確認するとして……もうこれ以上は暴れさせてくれなさそうなのから目を逸らさずにいこう!


「それじゃ乱獲はここまでです! さっさと殺せばいいですよ、未成体の『強烈なネズミ』! ぐふっ!」


 どこからどう来たのかは分からないけど、私のライオンのお腹の下に潜り込んで思いっきり上空へと体当たりで吹っ飛ばしてきた! でも元々、乱獲してたら何かが出てくるのは想定済み! 


「未成体に進化したら、倒しにくるので覚悟しておいてくださいね!」


 落下しながら言う事じゃない気もするけど、それでもエリアボスのタカの次の獲物は決めた! 今はまだ勝てないけども、勝つ為に進化ポイントを溜めに来たんだから悔いは無し!


<サクラ【器用なライオン【雷】】が死亡しました>

<死亡した為、ランダムリスポーンとなります>

<『死亡還元』の効果で、進化ポイントを1獲得しました>


「あ、死亡還元で進化ポイントが手に入ったのはラッキーですね!」


 うふふ、予定外に進化ポイントが多く手に入ったよー! いぇーい! それにしてもやっぱり未成体が出てきたねー。モンブランの森で果物のボーナス採集では未成体のクラゲが出てきたし、そこから予想はしてた!


ミナト : サクラちゃん、未成体が出てくるのは想像してた?

富岳 : 全然動揺してなかったしな。

ミツルギ : 何があっても覚悟の上とも言ってたしなー。


「はい、何となくそんな気はしてましたね! さっきも言いましたけど、進化した後の獲物はさっきのネズミです!」


 未成体ではあったけど、Lv2だったからそこまで強くはないはず! あっさり倒されたのは私がまだ進化していないからだよね! 

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