第143話 5回目の配信


 さて、今日も18時がやってきた! 私の実況プレイの始まりだー!


「それじゃ今日もやっていきましょう! モンエボ実況プレイ、5回目の配信開始です!」


 という事で、モンエボの起動開始! ふぅ、マップの解放については皆さん何も教えてくれなかったから、もうそこは自力でやるしかないよねー。まぁ昨日私が聞かないって選択をしたんだからそこは仕方ない!


サツキ : 今日も始まるよー、いえーい!

いなり寿司 : 配信開始!

ミツルギ : 今日はどんな事が起こるのやら。

金金金 : さぁ、どんな変なプレイが発生するのか!

ミナト : 楽しみだねー!


「開始早々に変なのを期待しないでもらえませんかねー!?」


 それだといつも私が変なのをしてるみたいだよ!? 確かにちょっと変な事になる時はあるけども、それだけじゃないよー!?


「むぅ……まぁいいです。それではマップの解放を目指してスタートです!」


 種族選択でライオンを選んで、夜の丘陵エリアからスタートだー! うーん、昼間の中で動きたかったけど、まだ夜なんだよねー。


金金金 : そういや昼に変わるまであとどのくらい?

ミナト : まだ結構時間があるんじゃない? 多分1~2時間くらい。

金金金 : あー、まだそんなもんか。


「え、そんなとこなんです!? ちょっと確認して……って、マップが解放されてないから、正確な時間が分からないですよ!?」


 うぅ、エリア名の表記の横にある月のマークの位置で大雑把に分かるだけだー! うん、位置的にミナトさんの言うように1~2時間くらいっぽいね! 今日の配信中に昼になるかどうかってくらいな気がする。


ミツルギ : 正確な時間が分かるのはマップが解放されてからだしなぁ……。

いなり寿司 : 森に戻るとしても……既に現在地が不明か。


「あ、森に戻るって手段もあったんです!? ……って、森はどこですかねー!?」


 見渡す限り、森らしきものは見えないー! そういえば、昨日の実況外のプレイでも森は見てない気がする? あれ、思った以上にモンブランの森から離れた位置にランダムリスポーンしてるの?


ミナト : 夜だと夜目があっても見える距離は昼間よりは短いからねー。ランダムリスポーンをしてマップ無しだと、多分初見で見つけるのは厳しいかな?

サツキ : サクラちゃん、走り回ってれば何とかなるよ!


「それもそうですねー! それじゃマップの解放を目指して、駆け回りましょう!

 『看破』『疾走』!」


 うふふ、看破はLv2に上がって少し効果時間が伸びたのと、再使用時間が少し短くなったんだよねー! 1体ずつにしか使えなかった識別ってなんだったんだろう?


<規定以上の距離を移動しましたので【マップ】が解放されました>


 ……ん? あれー? 昨日のプレイ中に見たかったけど見れなくて、今からやろうとしてたのがすぐに終わっちゃったよ?


金金金 : 開始直後に目標達成!

サツキ : サクラちゃん、目標達成おめでとー!


 その言葉自体は間違ってないけども! 今の私の心境としては、その目標達成のお祝いの言葉は素直に受け入れられないよ!? 


「ちょっと待ってください! え、解放の直前まで行ってたんですか!? 皆さんが教えてくれなかったのって、そういう理由です!?」


ミツルギ : まぁそういう事になるな!

ミナト : ここのマップの解放は、マップ解放に専念して30分くらいって感じだからねー! 凄い手前のとこで途切れてたから、なんかモヤモヤしてたよー!

いなり寿司 : ピンポイントで狙いすましたかのような、解放手前でのプレイ終了だったしなー。

金金金 : ほほう、そうなのか。


「そうだったんですか!?」


 うぅ、昨日の夜もう少しだけやってれば、それで解放は出来てたんだ!? 今のタイミングでそれを知ってもどうしようもないけど、なんか複雑な心境!


「……なんだか釈然としませんけど、マップが解放されたので良しとしましょう! って、疾走の効果が切れるまでは走っておくしかないですねー」


 何かの状態異常にしてしまえば疾走の効果は解除されるって話だけど、もうそれを狙っていこうかなー? どこかに剥き出しになってる岩とかないですかねー?


「……あれ? なんか疾走の速度が落ちてきてません?」


 んー? 疾走の使用中で多少の速度の変化は出せたけど、明確に減速してるのは無かった気がするよ? なんだろう、この状況? 止まりたいから減速するのはありがたいんだけど、これって大丈夫なの?


いなり寿司 : あぁ、そういやLv2に上がってたっけ。

ミツルギ : サクラちゃん、疾走はLvが上がると減速がどんどんしやすくなるからな!

ミナト : おまけで言うなら、急加速もしやすくなるよー! ただし、急加速は効果時間を削るから、使いどころには要注意!


「え、これってLvが上がった効果なんですか!」


 まさかのLvが上がった事による変化だったー! わぁ、これは嬉しい効果! 急加速と減速が出来るようになるって良いね!


「という事は、急加速をすれば意図的に効果時間を減らす事も出来るんですね!」


 えっと、多分減速になってたのは私が止まりたいって思ってたからだよね? だったら、急加速したいって思えば、急加速になるはず! よーし、やってみよう!


「それじゃお試しで急加速、開始です! いっけー!」


 おぉ!? ライオンの駆けている速度が一気に上がった! 減速気味だったから、体感的な速度の落差で凄く早く感じるよ!


金金金 : おぉ、こりゃいいな!

サツキ : 早速使ってるね、サクラちゃん!

ミツルギ : 使い方は普通に分かったみたいだなー。

いなり寿司 : まぁ基本の操作方法が分かってて、追加効果の内容を把握出来ればこれくらいはいけるだろ。

ミナト : あ、サクラちゃん、止まる時には要注意ねー!


「あ、はい!」


 うふふ、看破の効果もあって周りの様子も見えているから、敵を避けつつ全速力で駆け回れる! いぇーい、どんどん駆け回れー!


「なんだか楽しいですね、これ!」


 昼間ならもっと気持ちが良かったんだろうけど、まぁそこは仕方ないよね! 今はとりあえず効果時間を使い潰して、ここのエリアの本格的な探索を始めるのさー!


咲夜 : おーっす! お、疾走で急加速の使用中? てか、マップが解放になってるなー。


「あ、咲夜さん、こんばんはー! はい、疾走し始めたらすぐにマップが解放になって、仕方ないので急加速で効果時間を使い潰して……ぐふっ!」


 え、何事!? 何か足がもつれて、盛大に転んで丘の草むらの上を頭から滑り落ちていってるんだけど!?

 わっ、どうも転んだ先は下り坂になってたっぽい!? 今の転んだ理由がよく分からないけど、なんかジェットコースターみたいに迫力があって楽しいね!


ミナト : あらら、止まる時には要注意って言ったのに……。

いなり寿司 : またか、咲夜さん。

咲夜 : え、俺のせいなの!?


「ぎゃー!? 屈強なウサギが待ち構えてます!?」


 滑り落ちてる先にはLv17の屈強なウサギがいたよ! 思いっきり態勢を崩したまま滑りながらぶつかりそうなんだけど、どうすればいいの!?


ミツルギ : サクラちゃん、疾走は切れてるから攻撃スキルは使えるぞ!


「はっ!? だったらこれでいきます! 『放電』!」


 今にも攻撃範囲に入るのを待ってますってウサギに先手を譲る訳にもいかないもんね! 転んだ状態で滑ってるから態勢は最悪だけど、それでも見えてるならどうにかなるはず! 溜め無しでの放電を開始!


「あ、やった! 麻痺しまし……ぐふっ!」


 うぅ、麻痺したと喜んだけど、そのまま勢い余ってウサギに体当たりになっちゃった。下り坂を滑り落ちて、頭からウサギに突っ込む形になるとは思わなかったよー! でも、今回は朦朧にはなってないから大丈夫!


「さてと、ウサギ退治を始めましょうか! ……ところで、さっきのってなんで転んだんです?」


咲夜 : 急加速状態で効果時間が切れると、急ブレーキみたいになるんじゃなかったっけ?

ミナト : うん、そうなるよー。だから止まる時に気を付けてって、ネタバレにならない範囲で言ったんだけど……まぁいっか!

ミツルギ : タイミングもタイミングだったしなー。

いなり寿司 : そうなるのを知らない時に、注意が逸れたタイミングだったからな。

咲夜 : ……あれ? 今回は本当にある意味で俺のせいっぽい?


「あ、そういう仕様だったんですか! 私の不注意が原因だったみたいなので、咲夜さんのせいじゃないですよー!」


 ただ咲夜さんが来たタイミングと、急加速での効果時間の使い切りが重なっただけだしね! ミナトさんから注意するように言われてたんだから、これは確認不足の私の落ち度!


「それじゃさっきの転んだ事についてはこれ以上は言及はなしで! まずはウサギを討伐していきますよー!」


 ふっふっふ、色々と開始早々に予定外ではあったけども、このエリアでの初戦闘開始なのさー! 既に戦闘自体は始まってるけども、気分的にはここから開始!

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