第118話 果物のボーナス採集
「ふっふっふ、大量です! 回復アイテムが大量ですよー!」
わーい! 今までの回復アイテムの見つからなさから考えて、かなり破格の量が手に入ってる! まだまだ残ってるから、どんどん採集を続けよう!
ミツルギ : サクラちゃん、そろそろ50個は行くから気を付けろよ!
ミナト : あと5個で50個だからねー!
咲夜 : ……さて、無事に採集が終わればいいけど。
イガイガ : そういう発言、やめろー! 咲夜さんの発言はフラグになる!
金金金 : そうだぞー!
真実とは何か : それを真実と呼んでいいのかはまだ悩むところではあるが……。
チャガ : 相変わらず容赦ねぇな、お前ら。
咲夜 : 反論しきれないのが、何とも言えない心境!?
「あ、はーい! その辺は気を付けますね!」
いつの間にか結構採集してたんだね! 毒の実もあるって言ってたけど、今のところは回復アイテムのみ! 種類は違っても、基本的にどれも10%回復みたい!
もっと回復量の多い果物はないのかな? うーん、緊急時用に30%くらいあるのが少しくらい欲しかったりもするよねー。毒の実も欲しいけど、どこかにないかな?
「あ、毒の実を発見です! これは投擲の弾にもなるって話もありましたし、採集ですね!」
ふふーん、探してみたらすぐに見つかったー! という事で、採取開始……と言いたいとこだけど、そろそろ襲ってくるって話だしね。そこは要注意していこう!
「よーし、敵に備えてこれです! 『放電』!」
今の私には、これがある! ふっふっふ、採集しながら溜めておき、襲ってきたところを迎撃だー!
ミツルギ : あっ……。
神奈月 : あー。
イガイガ : あっ……。
G : やっちまったなぁ!?
「え、皆さん、どうしたんです?」
なんだか妙な反応があるけど、まぁとりあえず毒の実を採集しようっと。これで何個手に入るかなー? 毒の厄介さは身に染みて知ってるからね! とにかくライオンの前脚で触れて採――
ミナト : サクラちゃん、ストーップ!
富岳 : しまったな、これの説明をしていない……。
「わっ!? え、なんか勝手に放電しましたよ!? ぎゃー!? 毒の実が電気で焼け焦げたー!?」
えぇ、そんな事あるの!? あ、皆さんが変な反応をしたのって、このせい!? なんでそこで止まらないの、私ー!
あぁ……折角の毒の実が、焼け焦げて全部駄目になっちゃった……。うぅ、放電も効果が切れてるし、そんなのないよー!
ミナト : ……あらら。
富岳 : ……あぁ、遅かった。
咲夜 : ……どうしたんですって聞くなら、そこで止まってくれ!?
サツキ : サクラちゃん、ドンマイだよー!
むぅ、毒の実が台無しになったのが納得いかないけど、まずは理由を正確に把握するところからだね。……私の毒の実がー!
「……えっと、放電が勝手に発動する事ってあるんですか?」
ミナト : えっとね、放電で溜めてる最中は攻撃判定が出るものに触れたら、自動的に発動しちゃうんだよね?
富岳 : そこらの何もない草花とかなら触れても問題ないが、採集可能なアイテムだとそういう感じになる。その辺は敵が回復アイテムを食べそうになった時に防ぐ手段ではあるんだが……。
ミツルギ : 先に説明しとけばよかったな……。あ、雷纏いも同様だから、気を付けた方が良いぞ。
「うぅ、そんなの罠過ぎますよー! 私の毒の実ー!」
それを知ってたら、放電を発動とかしなかったのに! うがー! この雷の力を宿したライオンは強いけど、それなりにデメリットがあるっぽい!
でも、このデメリットに関しては気を付ければどうにかなる範囲? あ、雷纏い中に果物に触れるとアウトって事は、その辺になってる果物を食べて全快は無理なのかな? これは確認しておこう!
「ちょっと質問です! 雷纏いでもなるって事は、果物を食べての全快は無理になるんです……? あと、採集済みの果物を食べる場合はどうなるんですか?」
ミナト : ……えっと、どうだっけ? そういう状況になった事がないや?
富岳 : あー、その場合は生ってる果物での全快は出来ん。採集済みのは大丈夫だ。
ミツルギ : まぁ雷纏いの使用中に、そこまで不利になる事もないけどな。
「あ、確かにそれはそうですね!」
よっぽど追い詰められていてその打開策の為に雷纏いを使うくらいだよね、そういう緊急な全快が必要になるような状況って!
採集済みを使うのは大丈夫なら、サクッと敵を全部麻痺させて、その間に手持ちを使うのが確実! うん、少し慌てちゃったけど、そもそも早々ない機会だったよ!
「さて、状況は飲み込めました! とりあえず採集中は雷纏いも放電も使用は禁止という事で、採集再開です!」
ふふーん、注意点が分かれば問題ないよねー! 他に毒の実は……うーん、ぱっと見では見当たらないけど、まだまだ果物は沢山生ってるから順番に採集して、そのうち引き当てたらいいかな!
よーし、それじゃどんどん採集していくぞー! 何か他にも目新しい回復アイテムはないかなー? あ、この大粒のイチゴはどうだろ?
「おぉ!? このイチゴはHP20%回復ですね!」
あんまり数はないみたいだけど、これは是非とも採集しないと! あー、いくつか採ってみたけど、10%と20%のが混在してるみたい?
「むぅ……全部が20%ではないんですね。でも、採れるだけ採っていきましょう!」
ここで採集しないという選択肢だけはないのですよ! ここで、手に入れられるだけ手に入れていくのです!
ふっふっふ、さっき毒の実を無駄にしちゃったんだし……あれ? 私、なんで毒の実を台無しに……あー!? もう採集個数は50個を超え――
「がふっ! ……え、なんですか!?」
ぎゃー! 衝撃のあった腹部を見てみたら、思いっきりライオンのお腹に何かが突き刺さってる!? わっ!? 地面から持ち上げられた!
「完全に油断してました!?」
うぅ、さっきのは何のための放電ですかねー!? 私のバカー! ついさっきまでちゃんと警戒してたのに、なんでその事が抜けてるの!?
咲夜 : ……警戒するのを忘れてたな。
いなり寿司 : なるほど、意識が逸れて頭から抜け落ちたか。
サツキ : サクラちゃんらしいねー! そういうところは相変わらずだー!
「サツキさんは少し黙っててもらっても良いですかねー!? とりあえず『咆哮』で!」
うぅ、姉さんがそういう言い方をし始めるとやりにくいじゃん! よし、私のライオンのお腹に刺さってた何かが力なく倒れていくから、これで無力化出来たはず!
うーん、そもそもこれって何が刺さってたんだろ? 暗くて分かりにくいけど、細長いし木の根にしては――
「わっ!? あ、危ないですね!?」
さっきまで刺さってた何かに持ち上げられてたんだから、私も落下中だった! とりあえず無事に着地は出来たから問題ないけど……HPが一気に4割くらい減ってる!
ちょっと一撃にしては減り過ぎじゃない? うーん、私の獅子咆哮みたいに溜めがある高威力なスキルとか?
サツキ : サ、サクラちゃん!? 私に咆哮は酷いよ!? あ、痛!? 冗談、冗談だからー!
チャガ : ……何事だ?
咲夜 : 思考入力で、リアルの状態がダダ洩れ?
イガイガ : 多分、そうなんだろうなぁ……。
チャガ : よく分からんが、それだけで伝わる何かがあったのか……。
「サツキさん!? お願いだから、戦闘に集中させてー!」
サツキ : ……大人しくしときます。でも、サクラちゃん、ファイトー!
ミナト : ……あはは、まぁ今は敵の方に集中しよっか。
「はい!」
姉さんめ、完全にからかってるよね! そして、止めてくれたっぽい旦那さん、ありがとう!
さてと、これで戦闘に集中出来る! HPはまだ6割は残ってるから、無理に回復させなくても大丈夫かな? いざとなれば、まだ大量に生ってる果物を食べればいいや!
「あ、さっき刺さってたのが残ってますね! なら、こうです! 『噛みつき』!」
とりあえず地面に噛みついてはみたんだけど、これってどこから伸びてるの? そもそも細長い何かだけど……これは木の根?
うーん? もっと柔らかい気がするし、細すぎる気もするよ? それに色も木の根には見えない。なんか半透明だしなー。
「……これ、正体はなんですかねー?」
なんだかこの細長い何かは、小さな湖の方に伸びていってるよねー? 水中にいる敵って事かな? あ、なんとなくだけど、正体が分かった気もする! ……でも、あれって湖にいるもんだっけ?
ミツルギ : あー、何かと言われれば答えられるけど、ここは自分で確かめる方が良いと思うぞ。
神奈月 : 俺もそう思うわー。
咲夜 : 同じく。
ミナト : それとここは識別を使う事をおススメするよー! 今回はサファリ系プレイヤーとかそういうのは関係なしに!
富岳 : ま、その方が良いだろうな。
「……何がいるんです?」
湖の中から何かが伸びてきているから、何となくの予想は出来る。出来るけど、もしそうだとしたら、ちょっと大き過ぎる気もするんだよねー。噛み付いてるこれ、結構長いし、太いもん。
「まぁいいです! とりあえず、繋がってるなら引っ張り上げますよ!」
何かよく分からないものに噛みついたままだけど、それを引っ張っていくのさー! さーて、湖の方にも波紋が立ってるし、あの中に繋がっているのは確定! 何が出てくるかなー?
ーーー
予告してあった通り、更新はしばらくの間はお休みになります。
再開は4月12日(月)からの予定です。
詳しくは近況ノートまで。
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