第10話 後妻

 アリスは怒りにうち震えていた。



 マリは、慌てて。

『いッ、いやァ、兄貴……。言っとくけど、後妻かのじょじゃないよ。

 スゴく魅力的な彼女ひとだから……』

 なんとか早口で捲し立てるようにフォローした。

 


 おそらく兄が横にいるアリスを見たらビックリするだろう。


 だが今、兄たちには後妻アリスの正体は隠しておきたい。




《なんだよ。じゃ、強欲クソか。

 ケッケケェ~ー……😆🎶✨》

 さらに兄のタカは、軽口を叩き嘲笑あざわらった。



『あ、あのねェ……😔💦💦』

 あまりの暴言にマリはタジタジだ。



『ン……✨😡⚡✨』

 アリスは見るからにご立腹だ。

 大魔神のように目を吊り上げた。



 怒りに任せ、マリの股間をギュッと握った。




『ギェェ……ッ、痛ッててェ……😣💦💦』

 たまらず、マリは悲鳴を上げてしまった。



《あン……、何が痛いンだよ。マリ❓》

 音声しか聞こえない兄のタカはマリたちの状況を把握できず不思議がっていた。



『ちょッ、祖父ジーさんの後妻かのじょは、今、僕の近くにいるンだ……

 あんまり迂闊うかつな事は言わないでよ……』

 出来れば、今のスピーカーの状態では、この話題を避けたい。



《なんだよ。マリだって、後妻ババーが邪魔なンだろォ~❗❗》



『え、いやァ~…😓💦💦 そんな事は』

 それは酒の席で兄の口車に乗り、相づちを打っただけだ。



 まさか、その酒席ときは後妻のアリスがこんな魅力的な美女だとは思わなかった。




 しかし今のひとことで、アリスの怒りの矛先が、目の前のマリに向いた。



『はァ~…、なンですってェ……😡⚡』

 彼女はマリを強引にベッドへ押し倒した。



『うッ、わァ~…😣💦💦💦』

 



 






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