story.12 病

あおい

「この治療は…できん。」

白虎びゃっこ

「澪の時と一緒だな。」


突然、けむりが立ちその場からある人物が姿を現した。


僧正坊そうじょうぼう

みおと同じ症状か…これは、あの時の水龍すいりゅうに頼むしかないだろうな。」

青竜せいりゅう

「あぁ、それはわかっているが…10年ほど前に呪いにかかりあいつは…らえられている。」

あおい

「そうだな。あやつは、閉じ込めておるの。どうするかの。」

青竜せいりゅう

「答えは一つじゃ。水龍に会わせることじゃ。」

深雪みゆき

「危険すぎる!」

月華げっか

「そんなんはどうでもええ!さっさとお嬢はんを楽にしてあげて!」

僧正坊そうじょうぼう

「ゼロは鞍馬山で預かる。異論いろんがあるなら…たたかうが…」

すばる

「いえ、お願いします。水龍の件はこちらでなんとかします。」


鞍馬山に来ていた。


零蘭れいら

「はぁ…はぁ…はぁ……」(とても苦しくしている。)

僧正坊そうじょうぼう

「はぁ…これは、無理だ。」

月華げっか

「…」(とても、くやしそうにしている。)


それから2、3日後


零蘭れいら

「月華。」

月華げっか

「なんや?水が欲しいんか?」(零蘭がうなずいた。)


月華から水が渡され、零蘭が飲んだ。


僧正坊そうじょうぼう

「零蘭、大丈夫か?動けるならば、今から陰陽局に行く。」

零蘭れいら

「体だるいけど、大丈夫。」


陰陽局にきていた


自由みゆ

「お待ちしてました〜。青竜様と白虎様は来られていますよ〜。行きましょうか〜。」


陰陽局の最深部に来ていた。

そこには無数むすうくさりに繋がれており、目には黒い細い布が巻かれていた。

壁一面には、ふだられていた。


水龍すいりゅう

「お見苦しいものを…申し訳ありません。」

零蘭れいら

「大丈夫。お兄ちゃん…みおの症状を治したんだよね?」

水龍すいりゅう

「えぇ、治しましたね。今の私には、無理ですよ。呪いをいていただけないことには…何も…申し訳ありません。」

零蘭れいら

「呪いを解くことができれば、治せるの?」

水龍すいりゅう

「えぇ、できます。青竜様に場所をお聞きください。私の守護地を救ってくだされば、私はあなたの力になることができるでしょう。」

青竜せいりゅう

「わしもおる。大丈夫じゃ。」

水龍すいりゅう

「青竜様!?申し訳ありません。呪いは日に日に強まっています。どうか、お気をつけください。」

青竜せいりゅう

「あぁ、わかっておる。ゼロちゃんのためじゃからの。お主も覚えておるはずじゃが、美奈みなの娘じゃ。」

水龍すいりゅう

「美奈様の娘様でしたか。みお様のお名前が出た時点で気づくべきでしたね。確か、美奈様はお亡くなりになられたとか…澪様はお元気ですか?」

零蘭れいら

「お兄ちゃんは、殺された…。犯人は見つかってない!」


零蘭が大きな声でうったえるように言った。その反動でフラついた。

月華が助けた。


月華げっか

「はぁ〜、危ないな。気いつけて。」


零蘭の肩を抱き寄せ支えていた。


水龍すいりゅう

「そうでしたか。しい人を亡くしました。とてもお辛かったでしょうね。澪様が親代わりであったでしょうから。お頑張がんばりになられたのですね。陰陽師はきびしいかもしれませんが、頑張ってください。美奈様はよく私の守護地にお二人をお連れになられていたのですよ。」

零蘭れいら

「そうなんだ。お母さんとどんな関係なの?」(うたがわしく思っているような顔だった。)

水龍すいりゅう

「水龍一族の族長が美奈様の眷属でしたので。族長が、私の守護地が1番安全で人が少なくいいとお勧めになられてからよくいらっしゃったのですよ。夏は特によくいらしていましたね。」

零蘭れいら

「龍って少ないんじゃないの?」

水龍すいりゅう

「えぇ、でも水龍は多いのですよ。水の守護者ですから川やたきなどには守護者がそれぞれいますよ。私も守護していた滝があったのです。ひっそりとした山の中にあり人もあまり来ませんが水はとてもんでいて遊ぶにしても危なかったのです。今は、呪いの影響えいきょうで見るにえない姿ですが…。」(自嘲気味じちょうぎみに言っていた。)

零蘭れいら

「そうなんだ。とりあえず、その滝に行こう。」

白虎びゃっこ

「それは、無理だな。ゼロが行ったとしても術も使えないのに無駄むだになってしまうだろうな。」

水龍すいりゅう

「白虎様。無駄ではありません。解呪かいじゅの後にすぐ滝の水を飲ませることができれば症状しょうじょうが一時的に無くなります。その状態じょうたいで初めて私が治療ちりょうほどこすことができるのです。絶対に、その場で飲むことが治療の絶対条件です。」

青竜せいりゅう

「そうか。では、ゼロちゃん一緒に行くかの。水龍よ、しばし待つのだ。」


青竜の一言の後、それぞれが移動と準備を始めていた。


青竜せいりゅう

「ゼロちゃんや、月華から離れてはいけない。月華や…」

月華げっか

「わかっとる。お嬢はん、一緒に行く誰かが死んでしまうかも知れへんし、重体じゅうたいになるかもしれへん。せやけど、えれるか?」


月華の一言に零蘭は少し顔を曇らせた。


零蘭れいら

「…大丈夫。」(泣きそうになりながら答えていた。)


それを見ていた十二天将の森羅しんら自由みゆ六合りくごうは、零蘭の頭に手を置きながら


自由みゆ

「よく頑張りましたねぇ〜、えらいですよぉ〜。」(すごくニコニコしていた。)


その後、応接室にて


青竜せいりゅう

「解呪に向かうのはわしと白虎、月華とゼロちゃん、僧正坊そうじょうぼうの5名で行く。異論は認めない。」

自由みゆ

「はい、わかりましたぁ〜。大丈夫ですよぉ〜、よろしくお願いしますねぇ。くれぐれも、お気をつけくださ〜い。」


水龍の守護地に来ていた。

そこには、誰もが目を疑うような光景であった。


青竜せいりゅう

「ここまで呪いが進んでおったか。」

白虎びゃっこ

「これは、まずいな。呪いが形をなしている。すぐに取りかろう!」


呪いは通常黒くなり淀んでいるだけであるが、

強い呪いとなると呪い自体が形を持つようになる。

真っ黒な人間のような形で、目が赤く光っているのが特徴である。

最終形態の人型になっている場合、解呪は厳しい。


その後、皆必死に戦うが

軽傷者 1名

重体  1名

死亡  1名

という結果となる。




新・登場人物紹介!


水龍すいりゅう

年齢:不明 1000年以上ではある

守護地:滝

性別:男性

容姿:淡い水色の長い綺麗な髪である、目の色は…まだ秘密!

その他:とても丁寧な口調である。

そして、美奈と知り合いであった。

澪の治療も施していた。


story.13に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る