story.01 死

うらな時代 7155年 2月21日

占時代:物語の時代


ある、冷え込んだ朝方


みお

「れい、起きて。」

零蘭れいら

「ん…」


目をこすりながら、身支度を始めた。

すると、インターフォンがり誰かが入ってきた。


朝陽あさひ

「おはよう。澪、れいちゃん。」

みお

「あぁ、朝陽の分も飯あるから食えよ。」

朝陽あさひ

「あぁ、いつもありがとう。」


みんなでいつものように朝食を取った。


朝陽あさひみお零蘭れいら

「ごちそうさまでした。」

朝陽あさひ

「そろそろ、行こうか。」

みお

「あぁ。れい、お兄ちゃん仕事行ってくるから学校ちゃんと行くんだぞ!」


この日は、とても晴れていた。これが、兄との最後の会話になるとは知らずに…私は、軽く答えてしまった。この後、後悔するとも知らずに。


零蘭れいら

「うん!お兄ちゃん、あーくん(朝陽のこと)!行ってらっしゃい。」

みお

「あぁ、戸締とじまりしておけよ。」


玄関から兄は出て行った。私は、学校に行った。

給食の時間になり、私は、先生に呼ばれていた。


担任

「神楽坂さん、いますぐ帰る準備して!あなたのお兄さんが…」

零蘭れいら

「お兄ちゃんに何かあったんですか?」

担任

「お亡くなりになられたそうです。いま、神楽坂さんの叔母様がこちらに向かっているようですから準備してください。」

零蘭れいら

「…わかり、ました。」


この時、私は、何も考えられなかった。兄が亡くなったと実感できなかったからだ。

その後、紗奈さながきた。


紗奈さな

「零蘭!すぐに!」


警視庁の死体したい安置あんち室に来ていた。そこには、冷たくなった兄が横たわっていた。


零蘭れいら

「お兄、ちゃん…。どうして…どうして!お兄ちゃんが!!!お兄ちゃん!起きてよ!私を1人にしないでよ!!!!お母さんのところに行かないで!!!!!」


零蘭は泣きわめいた。その場に、零蘭は泣きくずれてしまった。紗奈はその姿を見て心苦しくなっていた。


紗奈さな

「零蘭、しっかりしなさい。澪は、もう、帰ってこないの。」

零蘭れいら

「いやぁぁぁぁぁぁぁああ!」

朝陽あさひ

「れいちゃん、(零蘭の肩をつかみ抱き寄せた)辛いよね。ごめんね。」

零蘭れいら

「お兄ちゃんが、なんで、殺されないといけないの!?」


その場にいた警察官が全員、目を伏せてしまった。


朝陽あさひ

「いま、必死に犯人を探している。澪を殺した犯人は絶対に捕まえる。だから、待ってて欲しい。」

零蘭れいら

「お兄ちゃん…。」


それから、時は流れ…半年がすぎた


零蘭れいら

「どういうこと!?なんで、お兄ちゃんの捜査、打ち切りになるの!?どうして!?」


零蘭は涙目になりながら朝陽を責めていた。


朝陽あさひ

「(零蘭を抱きしめながら)落ち着いて!…未解決ってことになるんだ。本当にごめん。他にも殺人事件が起きちゃったんだ。」

零蘭れいら

「(朝陽を突き飛ばし)嘘つき!犯人を捕まえるって言ったのに!警察なんて一生信用しない!お兄ちゃんのことどうでもいいんでしょ!?それとも、隠蔽いんぺいでもしたいことがでてきたんでしょ!?警察なんてほろべばいいのに!」


零蘭は飛び出していった。朝陽は、その場に立ち尽くしていた。


朝陽あさひ

「れいちゃん…」(悔しそうに拳を握り締めていた)

警察官1

「朝陽先輩、捜査会議始まります。」

朝陽あさひ

「あぁ。」


それから時間が経ち、夜9時になった。


紗奈さな

「すみません!名月朝陽警部はいらっしゃいますか!?」

受付

「名月警部ですね。少々お待ちください…こちらの、電話でお話しください」

紗奈さな

「紗奈よ。零蘭が帰ってこないの!どこにいるか知らないかしら!?」

朝陽あさひ(電話の向こうで)

「れいちゃんが!?すぐに、近くをあたってみます!」


少し、時間をさかのぼり…。零蘭は…


零蘭れいら

【ここどこだろ…周りに人もいないし…】

???

「おい、嬢ちゃん。何してんだ?」

零蘭れいら

「おじさん誰?」

???

「俺か?そこのビルで働いている少弐しょうにだ。ちょっと来てくれるか?」

【この女の子、霊力持ちだな。相当強いな。】


零蘭はついて行った。陰陽局東京組合本部に…。

少弐の執務室


少弐しょうに

「俺は、陰陽局東京組合本部所属陰陽師少弐だ。一様、ここの組合本部長な。」

零蘭れいら

「組長?」

少弐しょうに

「違う。本部長だ。…まぁ、いい。名前は?」

零蘭れいら

「神楽坂零蘭。12歳。」

少弐しょうに

「神楽坂美奈の娘か?」

零蘭れいら

「うん」

少弐しょうに

【あの、美奈の娘か。やはり、血は受け継がれるか。それにしても、例の子供か。これは、保護しないとまずいな。】


美奈は陰陽局に務めている陰陽師だった。


少弐しょうに

「零蘭、家族は?」

零蘭れいら

「半年前にお兄ちゃん殺されたからいない。警察と犯人は許さない!」

少弐しょうに

「わかったわかった。落ち着け。じゃぁ、今から話すことよく聞けよ?お前には、霊力がある。その霊力値によっては陰陽師…まぁ、強い人だな。それになれる。それになるには、家族を捨てないとなれない。どうする?」

零蘭れいら

「陰陽師になったら、警察を調べられる?」

少弐しょうに

「まぁ、個人によるな。実際、警察内部を調べる仕事もある。」

零蘭れいら

「陰陽師になる。家族は、もういないから。あ、叔母さんだけはいる。でも、常世にいるから…」

少弐しょうに

「そうか。お前は、失踪したことになる。いいな?」

零蘭れいら

「わかった。」

少弐しょうに

「よし。お前は、これから陰陽局特別養成学校に通ってもらう。本名は明かしてはダメだ。いいな?」

零蘭れいら

「わかった。名前、どうすればいいの?」

少弐しょうに

「まぁ、ゼロとでも名乗っておけ」

零蘭れいら

「わかった。」

少弐しょうに

「3人一部屋の完全寮制だからそこで暮らすんだ。まぁ、気楽にな。」(頭を撫でて、ニコッと笑った)

零蘭れいら

「うん!」


零蘭は陰陽局に所属することとなった。その後、陰陽局特別養成学校の寮に来ていた。


少弐しょうに

「ムラサキ!だい!」

ムラサキ・だい

「はい。」

少弐しょうに

「こいつ、今日から同室な。お前らより2個下だ。面倒みてやれよ。同期になるんだからな。」

だい

「え〜。まぁ、いいけど!組長、この子の名前は!?」

少弐しょうに

「自分で言えよ。」

零蘭れいら

「ゼロ…。12歳。」

ムラサキ

「よろしくお願いします。ムラサキです。14歳ですから、わからないことがあったら頼ってくださいね。だいは、あてになりませんから。」

だい

「おい!ムラサキ、何言ってんだよ!あ、俺、だい!よろしくな!ムラサキとは同い年だ!」

零蘭れいら

「うん、ムラサキ、だいちゃんよろしく。」

少弐しょうに

「明日から、授業だから準備しておけよ。じゃぁな。」


少弐がいなくなった。


だい

「ゼロ、お前、細くね?ちゃんと食えよ!ほい、これおにぎり!今日の夕食だ!」

零蘭れいら

「え、でも、これ、だいちゃんの。私、いらない。寝る。」


夜中になり零蘭が飛び起きた。


ムラサキ

「うなされていましたね。大丈夫ですか?タオル使ってください。」

零蘭れいら

「お兄ちゃんが…(泣いた)」

ムラサキ

【どうすればいいんだろう。どうするのが、正解なんだ?】

零蘭れいら

「ごめんなさい。(泣きながら謝っていた)」

ムラサキ

「謝る必要はありません。気にしないでください。」


次の日の朝になり


ムラサキ

「おはようございます。」

だい

「お!起きたな!」

零蘭れいら

「おはよ。」

ムラサキ

「今日から、授業だから準備して。」


教室についた


少弐しょうに

「お、きたな。よし、挨拶しろ〜。」

生徒たち

「おはようございます!よろしくお願いします!」

少弐しょうに

「よし、すわれ。新入りな。」

零蘭れいら

「ゼロ。よろしく。」

少弐しょうに

「はぁ。まぁ、面倒みてやってくれ。じゃ、授業始めるぞ」



今回の新・登場人物紹介!


ムラサキ

14歳の男の子。メガネをつけている。事情により陰陽師になろうと勉強している。だいとは同じ時期に入学した。零蘭よりも3ヶ月前に入学している。とても礼儀正しい男の子である。ムラサキと呼ばれているのは好きな花が紫陽花であり、好きな色が紫色であったため。


だい

14歳の男の子。体が大きく元気いっぱいな男の子。事情により陰陽師になろうと勉強している。ムラサキと同じ時期に入学した。零蘭よりも3ヶ月前に入学している。言葉遣いはあまり良くない。だいと呼ばれているのは体が大きいためである。


story.02に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る