第27話

「…」

「琉愛、ちょっと、感想言ってよ。やっぱりダメ?一応、紫田さんに聞きながらやったけど、紫田さんに感想求めても、無言だったんだけど?」

いや、かわいすぎか?

やば、いや、化粧するだけでこんなに変わる?

いや、変わるというか、もうこれは孵化、進化よ。

今までもノーメイクでも、私にとっては世界一と言っても過言ではなかったのに、メイクすることによって、もうこれは全世界の人類、いや、生物で一番かわいいって答えるぐらい可愛くなってしまった。

え?やばくない?たぶんローズピンクかな…そんな感じのルージュをひいて、マスカラは必要ないぐらいまつげ長かったけど、さらにマスカラで、さらに、アイラインまで。

チークもややピンクかな。全体的に派手目に見えるんだけど、銀髪だからしょうがないし、それにこれはもう海外のお人形さん。というかそれ以上だろ、この子。

ドレスも目の碧眼にあわせて、空色にして、私と同じ。まるでカップルだねって、まあ、ドレスは紫田さんと私で選んだので、そうなるのは当たり前なんだけどね。

こんな美少女を産んでくださって、ありがとう神様。私はもうここで消えても構いません。産んだというか、私の幼馴染をこんな美少女にして、転生させていただき、ありがとうございました。


「ねえ、ねえってば、琉愛、聞こえてる?」

「あっ、うっ、うん、かわいい。世界一可愛すぎて、多分世界中に屍が転がりまくるよ」

「なんか、身内評価のひいきめをすごく感じるけど、一応おかしくないっぽいから、大丈夫なのね。ありがと、琉愛」


と、満面の笑顔を私に向けた奏空。

あー、これは耐えられません…。


「ちょっと、琉愛!?紫田さん!ちょっと!琉愛が!琉愛が倒れました!!」


そんな奏空の紫田さんを呼ぶ大声を聞きながら、私の意識は夕暮れと星空の彼方へと飛んでいった。

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