片想いの幼馴染と異世界転生したんですけど、なんで俺が女の子に?
福屋ケンタ
第1話
今、俺は幼馴染の琉愛とどこかわからないところで知らないおっさんたちに囲まれている。
「勇者様と聖女様の召喚が成功いたしました。皇帝陛下」
「うむ、よくやった」
なんか、よくわからない会話があちらの方ではされている。異世界転生でよくありそうな会話だが、異世界転生系のライトノベルの読みすぎで、夢でもどうせ見ているんだろう。
「ねえねえ、あなたってもしかして奏空?」
琉愛は俺の姿を見て、驚きながらそして、顔を赤く染めながらそう言ってきた。何を言っているのか、正直わからなかった。なぜ、俺に俺かと聞くのだろう。しかし、何か問題があるのかもしれないと思い、答えた。
「俺は俺だ。奏空だ。こんな状況下で、そんな当たり前のこと聞く必要あるか?」
すると、不思議そうに琉愛は俺のことを見ながら、こう言い放った。
「だって、あなた、女の子なんだもん」
「はっ?」
自分としても間抜けな声が出てしまった。冗談だろうと思ったが、琉愛はそんなふざけたことをこんな状況下で言うやつではない。それに、彼女の目を見ても、真実を語っているようにしか見えなかった。さらにこの世界は夢ではなく、現実であると認識させられた。
「あの、すみません。勇者様と聖女様、こちらに来ていただけるとありがたいです。」
あるひげを大量に蓄えた椅子に座っているおっさんの隣にいるおっさんが自分がいるところへ私たちに自分たちの近くへ来るように頼んだ。俺は行こうとしたが、その時、琉愛が俺を止め、おっさんたちにあることを頼んだ。
「すみません、そちらには行くのですが、その前に鏡か姿見を持ってきていただけませんでしょうか」と。
おっさんたちも最初は琉愛が何を言っているのかわからなくて困惑していたように見えたが、琉愛は次のように続けた。
「この私と違う方の女の子に自分がどんな姿か見せてあげたいんです。」
すると、おっさんたちはそそくさと彼らと同じぐらいの高さの鏡を琉愛の目の前に置いた。
「奏空、今のあなたの姿を見なさい。」
そう琉愛に言われたので、自分の姿を見る。すると、
琉愛より身長がやや低い銀髪の美少女が学校指定の男性制服を着て、そこに立っていた。
自分が右手を上げると鏡の中の美少女も右手を上げ、自分が首を右に傾けると鏡の中の美少女も首を右に傾けた。
少しだけの思考をしたのち、琉愛に聞いた。
「えっ、これ誰?」
「その子が曰く、奏空らしいわよ?」
「え? それ、まじ?」
「うん、まじ」
「な、な、な、なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺の叫び声が鈴の音のような声でその美少女の口から鳴り響いた。
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