第5話

 女性が無言で立っている。 表情はあまり俺にいい印象を持っていないようだ。

 170cmくらいのモデルのようなスタイルをしており、キレイな顔立ちをしている。

 茶髪で肩につくくらいの髪の長さをしている。

「彼女はアンだ。 君より長いこと調査に協力してきている。 精神に異常をきたしたことは一度もない。 君の相棒だ。」

「相棒だといらないと思うんだが。」

「あっちの世界で動くには何かと都合のいいからだ。 ひとりだとできないこともあるからだ。」

「分かったよ。 説明してくれ。」

「よかろう。 2100年には工作員がいる。 何か異常あったら知らせてもらうようにしてもらっている。 各地に散らばっている。 君らをサポートをすることができるだろう。」

「おい、おい。 向こうの人にばれたりしないのか?」

「そこは一部の人間しか知らない。 破滅を止めるのを条件としている。 工作員は2100年の12月27日には必ずこっちに戻ってきてもらっている。 破滅が起きるのは28日以降だ。」

「あんたらはどれくらい調査をしているんだ?」

「半年だ。あっちの世界に関係をつくるのが手間取ってしまったことが遅れている原因だ。 君も分かるだろう。 1年で進化は著しいものがあるだろう。」

 たしかにそうだ。 一ヶ月前治せなかった病気が一ヶ月後には薬が出来上がっている。 ましてや、病気を見つけて、完治させるまでのスピードは速くなってきている。

 医療だけじゃない。

 ものづくりだってそうだ。 生活はどんどん発展している。

 俺たちが追いつけないまでになっている。

「あなたの資料を読ませてもらったわ。 あなたに期待なんかあまりしてないの。」

 アンは俺の腕時計に情報を送信した。

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