第119話蓼食う虫も好き好き
しかしながら多いようで少ない絶妙な個数ではないだろうか?
一個であるのならば決められそうなのだが五個ともなるとここで売られている品物全てが輝いて見え、あれも欲しいこれも食べてみたいと逆に迷ってしまうではないか。
そんな事を思いながらもわたくしは売り場を吟味して行く。
しかし、果物だけみてもその種類の豊富さは王国を上回る種類が売られており、果物だけで五個選んでしまいそうだ。
そして私は果物コーナーから桃という果物を、お菓子コーナーからはルルゥに進められたカントリーマダムというクッキーを、飲み物コーナーからはメロンソーダという飲み物を、パンコーナーからはクロワッサンというパンを、そしてデザートからはルルゥに勧められたハーゲンダッツのバニラ味を購入する事にした。
今から食べるのが楽しみで仕方がない。
因みに文房具でインクを付ける必要が無いという『ボールペン』というペンが気になったので当初はデザートの代わりにこのボールペンを買おうかと思っていたのだが旦那様のご厚意により文房具は数には入れないと言われた上に、かわいらしいデフォルメされた動物の絵が描かれているノートや『シャープペンシル』というこれまた可愛らしいデフォルメされた動物が描かれた鉛筆にシャープペンシルで書いたものを消せる、こちらも可愛らしいデフォルメされた動物の形をした消しゴム等を数点購入して頂いた。
しかしながら消しゴムは食べ残したパンではなく見た事も無くそして小さな物で消せるのだろうかと思うのだが、それ以前に可愛らしいこの消しゴムを使う勇気はわたくしには無いので、この消しゴムを使う事は恐らく一生無いだろう。
そんな事を考えていたわたくしの葛藤に気付いたのか、旦那様により無難な形の石鹸の様な白一色長方形型の消しゴムも買って頂いたのだが、その勘の良さをほんの少しだけでも良いので色恋にも発揮して頂きたい限りである。
そして使用人達も各々好きな物を購入して行くのだが、買ってくる物にそれぞれの個性が出ているのが何だか面白いと思う。
お酒類ばかりを買うもの、お菓子類ばかり買うもの、デザート類ばかり買うもの、身体に良さそうな食べ物ばかりを買うもの、まんべんなく買うもの、人それぞれである。
「皆様、好みによって買うものが全く違うのが見ていて面白いですわね」
「蓼食う虫も好き好きとも言うしな」
「だ、だて食う虫………ですの?」
「あー………蓼という辛くて他の虫も食べない様なまずい葉っぱも好んでそればかり食べる虫の種類がいる様に好みは人それぞれって意味だな」
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アイスは溶けないようにドライアイスをもらってます(*'▽')
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