第103話あなたの頭の中へ語りかけています

そしてわたくしはスキル『念話』を使い、男の子が叫んでいる内容を何となく受け取る。


離れている為感情すら感じる事は難しいのでは?と思っていたのだが子供故に何の雑味もない無垢な思いであった為何とか感情だけは受け止める事が出来た。


その受け取った感情は『寂しい』と『悲しい』そして『恐怖』であり、その事から間違いなく迷子であると判断する。


そして、迷子故に泣き叫ぶ男の子を見て助けてやりたいと思うのだが、それと同時にわたくしは旦那様からの言いつけである『王国で使用しているスキル並びに魔術等の使用はその全てを如何なる場合であっても禁止にする』という『にほん』へ行くにあたっての注意事項を思い出す。


しかし、わたくしは気が付けば身体が動いていた。


何故だか分からないのだが迷子の子供がまるで今のわたくしの様に見え、そしてわたくしはわたくしにとっての旦那様の様にあの迷子の子供を救ってあげたいと強く思ったからである。


そしてわたくしは迷子の子供のそばに行くと心の中で旦那様へ謝罪の言葉を紡ぎながらスキル『念話』を使用する。


このスキル『念話』であるのだが王族に比較的に出やすい能力であり、又その能力が発芽した貴族は外に出さぬ様王族と婚姻させられるパターンが多い。


これは外に出さないというのもあるのかも知れないがこの『念話』というスキルを王族で囲いたいという事なのであろう。その為か今や王族とその為で発芽したスキル『念話』は最早別物であり特に、王族で今現在発芽している現国王ラインハルト国王陛下に至っては直接頭の中に語り掛けられている様に感じる程であるのだとか。


因みにこの『念話』スキルが我が王国の強さの最大の秘訣でもある。


情報伝達の速さはそれ程までに戦場を支配する事が出来るだけの力があるのだ。


その為『念話』能力がある者と王族を同じ戦場に置口よりも『念話』能力を持つ王族を置いた方が守るべき者の数が減る為に王族は国からこの能力の者を出したくないし、王族間でその能力を高めたいという訳である。


因みにシュバルツ殿下はこの『念話』スキルは保持していない。


ある意味でその事がコンプレックスとしてシュバルツ殿下の性格に影響していたのかもしれないのだが婚約破棄をされた今ではもうどうでも良い事。


今わたくしがやらなければならない事は迷子の子供を助けてあげる事である。


と言っても所詮は『外』で発芽した『念話』のスキル。


いくら公爵家の娘で遡れば王族の血が幾度か混じっているとしても外の者には変わりない。


そんなわたくしの『念話』のスキルはおでこ同士の接触が必要で、更には伝えられる内容も感情位で明確な内容を伝えられる事は出来ず、更に大人になればなる程能力は効きにくい傾向になる。


そしてわたくしは迷子の男の子の所まで行くとおでこをくっつけて『念話』を始める。


『聞こえていますか?わたくしは今、あなたの頭の中へ語りかけています』



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最後の一部、書きたくてうずうずしてたのは秘密です∩^ω^∩w



そして聞こえていますか?私は今あなたの頭の中へ語りかけています。


ただ今カクヨムコン6恋愛部門で私の作品が週間ランキング10位、12位、25位と上位で踏ん張れているのはまごう事なきここまで読んで下さった皆様のお陰でも御座います。


感謝と共にこれからもよろしくお願いします∩^ω^∩

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