急展開です!

部屋に着くとめぐみは詩音を部屋に待たせて飲み物を取りにいった。


「凛さーん!コーヒーを2つお願いねー」

「はーい!って、めぐちゃん!自分で淹れてよね」

「良いじゃない。友達が来てるんだから~」

「めぐちゃん、私もそろそろ居なくなるんだから自分で手伝うことが出来るようになってね!」


凛さんはそういって準備していたコーヒーを渡してくれた。


「ありがとう!」


私は部屋に戻ると小さなテーブルにコーヒーを置いて詩音に渡した。


「うちのオリジナルブレンドのコーヒーだよ♪」

「いただきます」


ズズッ・・・


「美味しい!」

「本当!良かった!」

「私、コーヒーなんて甘いか苦いかぐらいしか味がないと思っていたけど・・これがコクがあるっていうのね」


自慢のコーヒーを褒められて嬉しくなった。


「一口にブレンドコーヒーと言っても本当に色々あるからね。「ブラジル」や「コロンビア」など、単一の産地の名前がついているコーヒー豆を「ストレート」って言うの。産地ごとの特徴を味わえるそれに対し、複数の産地のコーヒー豆を、割合を決めて配合したものを「ブレンド」っていうの。ストレートコーヒーだけでは出せない風味を作り出せるのよ。ブレンドは各店の個性が出るのよ」


「へぇ~凄いわね!ここまでの味にたどり着くまで大変だったんじゃないかしら?」


「おばあちゃんが趣味で工夫していたから、楽しみながらやってたみたい。お母さんが現代風にアレンジを加えたのがこれなんだって」

「正直、コーヒーなんて缶コーヒーぐらいしか飲まないけど、ここのコーヒーなら定期的に飲みたいわ!」

「ふふふっ、いつでも来てね。お金は払って貰うけど」


私達はお互いに笑い合った。


「さぁ、そろそろビデオを再生するよ」


私の部屋にもビデオデッキぐらいある。そして、入学式の映像を詩音の歌の所まで巻いて再生した。


♪♪♪~♪♪



詩音を食い入るように見つめた。


「やっぱり、自分でやってる時と外から見る時とじゃ全然違うわね。幾つか間違えている箇所があるわね」

「そうなの?凄く良いと思うけど?」


う~んと見比べていると、ぐぅ~とお腹が鳴った。

ちなみに詩音がね!


「/////」

「あははは、お昼まだだったね。お店に戻ろうか。うち、軽食もやっているから」

「お金は払うからね!」

「別に良いよー」

「いいえ、お金の事はしっかりしないとダメよ!」


意外と頑固だなぁと思っためぐみはわかったと言ってお店に行くのだった。


「あら、めぐみ帰ってたの?」

「あっお母さん。帰ってたのね」


下に降りてお店に行くとお母さんが店に立っていた。


「あ、あのお邪魔しています。めぐみさんと同じクラスになった皇すめらぎ 詩音です」


詩音は深くお辞儀をした。


「あなたは・・ああっ!あの歌っていた子ね!?入学式の歌はとっても良かったわ!」

「ありがとうございます!」


詩音は恥ずかしそうに頭に手を当てながら御礼を言った。


「お母さん、お昼お店で食べて良い?」

「ええ、良いわよ。ピークも過ぎたしね」


私達はお店の隅っこにあるテーブルでお昼を頼んだ。


「どれがオススメなのかしら?」

「そうだなぁ~パスタ系とか美味しいよ♪」

「うん、じゃぁこのトマトたっぷりスパゲッティとサラダを頼むよ」

「期待しててね」


そして注文が届いた。


「美味しい!コーヒーも美味しかったけど何よこれ!?」


詩音はパクパクとフォークに巻き付けて口に運ぶ。


「良い食べっぷりね!気持ちが良いくらいだわ」


お母さんがお水のお代わりを持ってきた。


「とっても美味しいです!」

「ありがとう。荒くおろししたトマトを混ぜているのがコツなのよっ♪」


「へぇ~!」


「また詩音ちゃんの歌を聴かせてね!」

「はいっ!喜んで!・・・でもバイトを探しているので、余りしばらくは活動出来ないんですけどね」


詩音はため息を付きながら答えた。


「バイト探しているの?」

「めぐみには言ったけど一人暮らしを始めたからね。ただでさえ病気の入院費で親に迷惑を掛けたから生活費ぐらいは稼がないとね」


あっ、詩音は病気で1年年上だったよ!?


「あら?ちょうど良かったわ。ならうちで働かない?」

「ちょっ!お母さん!?」

「うちの従業員の凛さんが産休に入るのよ。バイト探していたからタイミング良かったわ!」


「本当によろしいのですか?私は凄くありがたいのですけど・・・」

「こっちからお願いしたいのよ!詩音ちゃん、美人で背も高いからうちの制服が良く似合いそうだし♪」


ぶはぁー!!!?


詩音の制服姿を想像したら・・・萌えた。


「凛さんは妊婦さんだから今は制服を来てないのよ。うちの制服はロングスカートの(◯◯◯◯)だから背の高い女性に栄えるのよ」


なんか副音声が聞こえたような・・・?


「それじゃ、お願いします!」


詩音はそれに気付かず元気に返事をした。







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