　家族を殺された少女が、父の遺した動物型ドローンを駆って復讐を果たす！

　冒頭数分で一家惨殺という、凄惨なシーンから始まる。

　主人公は名前を変えて、意志を持つ動物ドローンと共に悪党の悪事を暴いていく。

　性根は優しい性格で、人を殺めることをよしとしていない。

　主人公は父の研究を奪った相手のアジトを突き止めるが、警備員に職質されてしまう。

　それを、関係者の娘が助けてくれた。

　しかし、彼女こそ家族を襲撃した一味の一人だった！

　序盤の主人公は、復讐しか見ていない。

　忍者家系の掟で「相手を殺してでも任務を果たせ」という使命感で動く。

　ネガティブな「スパイダー・バース」みたいな話である。

　だが、ドローンたちは彼女の本心を知っているので、思いとどまってもらうよう説得する。

　中盤は少女とのふれあいが続く。

　親の敵であり、新しくできた友だちである。

　ルームメイトとも親しくなって、人間らしさを取り戻しつつあったが。

　家族を亡くし孤独になった少女が、毒親にコントロールされた少女を救うという対立軸も見事だ。

　いわゆる八〇年代に大流行した、「少女×SF」という組み合わせである。

　熱いアクション展開とソフト百合が見事にマッチしていて、大満足の出来だ。

　ただ、ラストが消化不良で、黒幕を追い詰めるところで終わってしまう。

　このスゴイ映画が続編なしで終わるのは惜しい。

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