攻撃特化と守備特化、無敵の双子は矛と盾!
天眼鏡
第1話 Prologue:The end of Hero
──それは、ある日の事。
この世界ならどこにでもいそうな栗色の髪と真紅の瞳を持つ普通の青年が、この世界を支配せんと暴れ回る【魔族】たちの王……【魔王】を討伐する為の【勇者】として天上に座す神々により選ばれたという報せは、あっという間に世界全土に広まっていった。
どこにでもいそうなと言っても彼は人一倍に正義感が強く、この世界の人々の期待を一身に背負い、ありとあらゆる強力な武具を神の名の下に使いこなし、頼れる仲間たちとともに憎き魔族を殲滅していく。
そして、とうとう魔王との直接対決を迎えた。
これまでに戦ってきた魔族とは比べものにならない強さを持つ魔王の前に……一人、また一人と仲間たちが斃れていく中、満身創痍の勇者は同じ時期に神々によって選ばれていた、美しい金色の髪と空色の瞳を持つ【聖女】とともに力を振り絞って、『己の命と引き換えにしてでも』と決して諦めずに挑み続ける。
そして、あまりに大きな規模の魔法や剣戟による衝撃を轟かせ続けた三日間に渡る激戦の末に──。
世界を救う英雄となるかもしれない身でありながら色を好まず、たった一人の女性を……ともに歩んできた聖女だけを愛した勇者は、魔王と相討ちになった。
魔王が命を落とした為に緩やかに崩壊していく魔王城の玉座の間にて、この世界の命運を賭けた戦いの唯一の生存者でありながらも、最愛の人を失った事により声を上げて泣き崩れてしまっていた聖女と。
聖女であるがゆえに、心はともかく身体の交わりは許されていなかった筈でありながら、『彼女を一人にしたくない』『自分に代わって彼女を守り、彼女の敵を討ち滅ぼす力を』という勇者の最期の願いによって確かに聖女の身体に宿っていた……一粒種。
──ではなく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます