mc2020.12.7 盗賊を捕まえた
今日は面倒な出来事があった。
十二月を迎えたのに気温は十五度近くまで上がって、春日和って感じだったから凄くいい日になるんじゃないかなーって気がしていたんだけどさ。その真逆の出来事が起きてしもうた。
午後二時くらいまでお客さんが来なかったし、暖かかったから眠くなっちゃって、寝落ちしそうになった時のこと。
お店のドアがバカーン! と乱暴に開いて、男が二人立ってたんだよ。真っ黒な深いローブを身に着けた男二人組みで、どっちかというと年を食ったオッサンだったかな。だけど、そいつらの顔を見て「ヤベエ」と思ったんだよね。
一応、しがない冒険者で命のやり取りもしてきたから、直観的に不味い気がした。
んで、嫌な予感っつーのは当たるもので。
二人の男が、ナイフを取り出して、寝ぼけてた俺に突き付けてきた。
その直後、やっぱりっていうか……決まり文句で「金を出せ! 」だと。
驚いたは驚いたけど、なんとなく分かってたし覚悟は出来てた。
さて、どうするものか。
普通は強盗紛いの行動を取る時って、心理的に肉体に現れるものなんだよね。慣れていないと、手が震えるとか脂汗が滲むとか呼吸が荒いとか。だけど、そいつらときたら緊張した様子もないし、しゃんとしてるから、慣れてるというか、生業っていうのも変な言い方だけど……そういうことを繰り返してきたんだろーなーって思った。
うーん、だとしたらますますやばい。
きっと命を奪うことに、さほど抵抗がないのかもしれないから。
とりあえず彼らには怯えたように反応した。
勘弁してくださいって。
でも、一人の男がナイフを俺の頬にチクチク刺して「早く金を出せ」って脅してきた。
俺にとって、それはラッキーだったよね。
だって相手が武器を目の前に持ってきてくれたんだもの。
とっさに腕を伸ばして、片方のナイフの柄をつかみ、それを奪った。
一瞬のことだったから二人は「えっ」みたいな感じで隙が出来たものだから、もう片方の男のナイフを弾いて床に落として、カウンター越しから飛び上がって、二人の顔面を思い切り殴りつけました。
二人とも気を失って倒れちゃったので、俺の大勝利!
倒れた二人の前で、イエーイってピースしたあと、売り物のロープで外の樹木に縛り上げ、隣町の聖騎士団支部から呼んできた団員に連れて行って貰いましたとさ。
ふっふっふ、元冒険者舐めんなっ!
割と怖かったけど。
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