　昨日に続いての吉報だ。なんと今日は人間のお客様が来てくれた。

　名前はノティスといったと思う。見た目は俺より年下っぽい。

　彼は冒険者のようで、昔の俺と同じで世界各地を回って依頼をこなしながら生活しているらしい。

　長い人と魔族の戦争で遺された古代遺跡―――ダンジョンにも挑戦してはいるが、中々うまくいかないと言っていた。

　やっぱり冒険者ってキツイんだなと再認識させられる。

　ちなみに彼は魔界グリモワール側で仕事がないか探しに行く途中だったとか。

　ウチの店を見つけて、こんな辺境の地に人間が経営する雑貨屋があることが信じられないとめちゃくちゃ驚いてた。

　ははは、そりゃそうだ。俺だってこんな店見つけたら驚くもん。

　……。

　あ、あと、剣を磨くための小さな研磨石を買ってくれたので、サービスでホットコーヒーとクッキーを出したらかなり喜んでくれて、俺も嬉しい。

　魔界から帰って来る時には、またウチの店に寄ってくれるというので楽しみにしておく。

　あんまり俺に似合わないけど、若き冒険者の無事と成功を祈ろう。

　どうか、若き冒険に幸運と光の加護があらんことを。

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