瓢箪山人
瓢箪山に墜落した発見された宇宙人は
瓢箪山人と呼ばれることになった
辞書に新しい項目が追加されたが
漢字が難しいのでひょうたん人と呼ばれることも多く
web辞書にはそちらも追加された
また見た目がマルクスに似ていることから
スペースマルクシアンとかスペマルなどとも呼ばれたが
こちらはややこしいので採用されなかった
瓢箪山人は踊りがうまかった
瓢箪山ダンスが流行した
辞書に登録された
瓢箪山人はほとんど食事をせず
酸素も吸わずゴミも出さず
エコロジーの代わりにヒョウタノロジーと言われ始めた
まずはウィキペディアに載った
次々と辞書は更新されていった
千年が経過した
地球から地球人が消えて
瓢箪山人しかいなくなった
彼らは辞書に意味を見出さなかった
亡霊たちが恨めしそうに辞書を見ていた
そして緑にあふれた世界
平和な世界の中で
一切の辞書は不必要だった
(「無責任」第八号より)
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