ウルフルフ
毎日煉瓦を運ぶんですね
きっと何かが出来上がるでしょう
けれども山道は危ないですよ
それに僕の縄張りの中です
送って差し上げましょう こっそりとですが
尻尾がくるんとしてるんですね
見たことのない形です
興味が湧いてきました
あなたは何を目指しているんだろう
煉瓦が積み上がるように
何かが造られていくことは
私の人生には 何一つないんです
だからぜひあなたには
無事でいてほしい
影で笑うのは誰ですか
あなたたちもくるんとした尻尾
下品なものは嫌いです
いいことを教えてあげましょう
私が怒った時は
この牙が光るんですよ
遠吠えしてみましょうか
肺活量には自信があります
ただ 虚しくなるのだけれど
決して口にはしませんが
私は一つ誓いました
あなたの敵になるものは
全て私の敵でもある
ずっと見守っていますから
安心して煉瓦を運ぶのですよ
(「無責任」第三号より)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます