3-4
「オレも行ったほうがいいのかな」
「ユキさんに誘われなかったの」
タカシは少し戸惑いながらカオルを見ている。
「妹さんがカオルのお店でライブをやるってことは聞いたけど」
「ユキさんと会ったの」
「電話だよ」
「それって来てほしいってことじゃない」
「そうかな」
カオルは店に出る支度をしている。
今日はパソコンも見てないし、ずいぶん早いな。
「何かあるの」
「何かって」
「店に行く前に用事があるとか。出かけるの早いんじゃない」
そうか。今日はユキさんの妹さんが店に行くって言っていた。
「オーディションってわけじゃないけれど、マスターが一度カスミの歌をきいておきたいらしいの」
「一人で行くんですか」
「あたしも行くし、多分ヒロ君も一緒」
そうか、あいつも来るんだ。でも店に行くのは昼間だって言ってたけど。
「あいつは昨日来たのかい」
タカシはいつものようにカオルの作った朝食を食べながらカオルにきいた。
「お店には来たみたいだけど」
「それで」
「来たのは昼間だから、あたしが行ったときにはもう帰ってた」
「あいつに会いたかった」
「そうだね、しばらく会ってないし」
「今日は来ないらしいよ。仕事だって」
タカシはお茶を飲みながら、服を着替え始めたカオルを見ている。
「ヒロさんは来なくても、ユキさんに誘われたんだからちゃんと来てね」
「わかってるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます