コメディ台本集

卒塔葉しお

1) マッチ売りの・・・

女「マッチ……マッチ……いりませんか……」


男「なんだぁ? 」


女「マッチ……いりませんか……」


男「へっ、こんかクリスマスの日にマッチ売ってんのかよ。嬢ちゃんも大変だな」


女「マッチ……買うの?買わないの?」


男「おうおう、買ってやるよ。そんでさ、もっと暖かいとこいこうぜ? なぁに、悪いことはしねぇよ、約束する。だから、なぁ……いいだろ? 」


女「…ョ…」


男「あん?」


女「マッチョ!お買い上げありがとうございマァァァァァァァァァス!!!」


男「なっ、なに〜!? 嬢ちゃんの服が破けて神々しいほどのツヤがかった筋肉が現れた〜!? 」


女「ふふっ、驚かれましたか? はじめはどなたもびっくりされるので大丈夫ですよ♪」


男「大丈夫とか、そういう問題じゃなくてだな…… 」


女「さぁ、安心してその身を筋肉たちに委ねなさい 」


男「……あ、あはっ。あはははっ!

嬢ちゃん面白かった!あんた最高だ!

だが、わりぃ! 急に用事思い出しちまって…… 」


女「用事?」


男「そうそう! 今日じいさんの誕生日なんだった!あ〜なんで忘れてたんだろ〜!?

じいさんボケが酷くってさぁ! 俺が行ってやんないと。だからっ」


女「そう焦らないで? マッチョは決して逃げませんから」


男「いや、オレはその……!!」


女「メリィクリスマスッ!!!!」


男「うぎゃぁぁぁぁ!!」


(バキバキバキバキ……)




──『マッチ売りのマッチョ』終

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