Day.2 吐息

吐息【秀才か、それとも】

 うちのクラスには秀才がいる。

 良いとこのお嬢様らしい彼女は生徒会長を務め、成績優秀、スポーツも得意。しかしそれを鼻にかけることもなく、いつも謙虚で人当たりもいい。

 今日、中間試験の答案用紙が返却されると

「良かった、このテスト自信なかったの」

 と彼女は安堵の吐息をもらしていた。




 秀才だと認識されているようだが、そんなことはない。

 先日の中間試験でも回答欄を一つ見落とし、答案用紙に記入した答えが全部一つずつズレていた。見直しの際に気がついて、試験終了直前に慌てて書き直した。

 実は、結構なドジっ子なのだ。

 早くカミングアウトしたいのに。長い吐息をついた。

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