第8話:フィットネスゲームで勝負をするよ ♯囚われのユキ犬姫
ユイとの配信が終わった瞬間に、僕はスイッチが切れた様に意識が遠のいていった。
最後に聞いた言葉は――。
「やっぱり、元々限界だったんだよね、祐季くん。お疲れ様……」
という結坂の心配そうな声だった。
◇◇◇
そして、翌朝はすっきりとした目覚めで起きることができた。
――久々にゆっくりと寝れたかも……。
いい気晴らしになったので、ユイには感謝してもしたりなかった。
「また顔色が悪かったら、今度は強制的に拾って帰るからね! だから無理しないこと! わかった?」
「気をつけるよ。ありがとうね、結坂……」
「うん、私も見に行くから頑張ってね。炎上放送」
「や、やっぱり燃えるのかな……」
――できたら僕としては穏便に放送を終えたいところだけど……。
「ユージ先輩がいるからね。あの人がいる放送で燃えないことの方が珍しいよ? むしろ、そうなる様に考えてるのかな?」
「うぅぅ……、今から胃が痛いよ……」
「難しく考えなくても、そういうものだと思っておくと良いよ。燃えても祐季くんのせいじゃないからね」
「う、うん……、頑張ってみるよ」
「あっ、でも、なにか心配なこととかあったら連絡してよ。いつでも相談に乗るからね」
「いつもありがとうね。何かあったらすぐにチャットを送るよ」
「そういって祐季くんはいつもため込むんだから……。気になったら逆にこっちから送るからね!」
帰りにもう一度結坂に注意されてしまう。
――確かにすぐに思い悩んでしまうのは僕の悪いところだよね。三期生の絆とか言って、全く頼らないのは逆にみんなに不義理を働いている。むしろ、悩んでいるときこそ相談するべきだったな……。
次に何かあったときはしっかり相談させてもらおう。
◇◇◇
真緒さんやユージさんとコラボ。幸いなことにオフではないので、まだ気持ちは楽だった。
でも、男性Vtuberとして最前線で戦う尊敬すべき先輩たち。
いつもとはまた違った不安は抱く。
それはチャットでも出てしまう。
ユキ :[あ、あの、その……、きょ、今日のコラボ……ですけど、どうしますか?]
ユキヤ:[――なんでも良い。何かやりたいことはあるか?]
ユキ :[ふぇ!? あ、あの……、その……。ぼ、僕もなんでもいいです……]
ユージ:[確か筋トレ枠にするって言ってましたよね? 本当に筋トレをするわけにはいきませんので、フィットネスゲームとかはどうですか? ミニゲームの成績で勝負するのも楽しそうですし]
ユキ :[えとえと……、その……、ぼ、僕は大丈夫です……]
ユキヤ:[――問題ない]
ユージ:[了解。勝負なので一番成績が悪かった人は罰ゲームで。……良くある『カタッター名を変更する』とかですね。あと枠はユキくんの枠でいいですか?]
ユキ :[ぼ、僕の枠ですか?]
ユキヤ:[――全く問題ない]
ユージ:[はぁ……、ユキヤは相変わらずですね。サムネとタイトルは俺が準備しますから、ユキくんは配信の準備をよろしくお願いします]
ユキ :[は、はい。わかりました]
ただのチャットではあるものの、ユージがいなかったらまともに配信内容も決まっていなかっただろう。
普段の配信に出しているチャラい感じはチャットでは全くない。むしろ場をまとめてくれる良きお兄さんといった感じがしていた。
一方の真緒さんは普段の配信と変わらないので、二人だと萎縮してしまいそうだ。
――本当にこんな状態で配信ができるのかな?
そんな不安を感じたまま配信時間を迎えていた。
◇◇◇
『《♯囚われのユキ犬姫》フィットネス勝負。真の犬力を見せつけるよ! 《雪城ユキ/真緒ユキヤ/野草ユージ/シロルーム》』
2.0万人が待機中 20XX/06/05 20:00に公開予定
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【コメント】
:ついに来てしまったか。
:燃やす準備はしてきた
:ユキくんに勝ち目はあるのか?
:ユージ草
:真緒さんに勝てるのか?
:いやいや、無理だろw
ミニアニメと共にコメントがかなり加速していた。
今まで以上のコメントの速さに怯えながら、アニメが終わった瞬間に三人のアバターを出現させる。
段ボールに入っている犬風アバターの僕。
今日の段ボールは[助けてー!!]と書いてある。
一応今日は二人に捕まっていて、そこから何とか逃げだそうとしている設定だった。
真緒さんは白銀の長髪に二本の角が生えた魔王風のアバターだった。腕を組み、服装もそれらしく黒のマントを羽織り、同じく中にも黒の服を着ていた。
ユージさんは相変わらずチャラチャラとした雰囲気のアバターだ。
トゲトゲと言えるほど尖らせた金髪と煌びやかな服装の前だけを
そんな二人に挟まれているユキくん……。
うん、確かに囚われているようにも思える。段ボールに入ってるわけだし。
そんなことを思いながらいつもどおり段ボールを
『あっ!?』
思わず声を漏らしてしまうが、真緒さんは気にした様子もない。
真緒さんの魔王風アバターが段ボールの中に入る。
そこに書かれている[助けてー!!]の文字。
青ざめてしまう僕を他所に、ユージが思わず笑っていた。
ユージ:『くくくっ。いいっすね、それ。ユキヤにお似合いっすよ』
ユキヤ:『なんだ、段ボールか。いつも雪城が使ってるものだろう? 問題ない』
【コメント】
:wwwww
:まさかの初手段ボール攻撃www
:ユキくんが挑発w
:草
:真緒さん相手にやるなw
:ユキくんwww
パフォーマンスだと思われてしまったようだ。
真緒さんも同意しているので、もう戻すこともできない。
――と、とりあえず僕も段ボールに入って……。
恥ずかしさを紛らわす意味も込めて、僕も段ボールに入り、顔を隠してしまう。
そして、少しだけ顔を出しながら言う。
『わ、わふー。み、皆さんこんばんはー。今日はと、囚われのユキ犬姫……。――って、誰が姫なの!? と、とにかく、姫なんかじゃないからね……。普通の犬の雪城ユキです。今日はフィットネスゲームで真緒さんやユージさんをばっさばっさと倒して、ここから逃げ出したいと思います。よろしくお願いします』
【コメント】
:犬姫草
:わふー
:わふー
:どう見ても真緒さんたちには勝てないだろw
:わふー
:わふー
《:¥500 わふー》
:ユキ犬姫わふー
ユキヤ:『ふっ。この魔王である我、真緒ユキヤ相手にいつまで平静でいられるかな』
ユージ:『ちょっち、俺っちのことも忘れないで欲しいっす。シロルーム最強のイケメンこと、野草ユージを。ほらっ、ユキっちはもっと俺を頼ってくれて良いんだよ? 力になるっすよ。カモーン』
ユージがわざとらしくウインクをしてくる。
もちろんそれはスルーするのがいつもの流れなので、僕もスルーする。
『えとえと、真緒さんは強敵だけど、ぼ、僕も三期生のみんなから力をもらってるから負けるわけにはいかないよ。全力でいくからね』
ユージ:『お、俺っちは無視っすか……』
【コメント】
:ユキくんスルーw
真心ココネ🔧:ユキくん、頑張って下さい
:ユージ草
:ユージ草
羊沢ユイ🔧:うみゅ、涙目ユキくんかわいいの
神宮寺カグラ🔧:ユキなら大丈夫よ
:ユージ草
:ユージ草
:草生えすぎて、すごく燃えそうだw
美空アカネ🔧:燃やす?
:ユイちゃんだけ応援してなくて草
ユージ:『ちょっち!? まだ燃やしたらだめっすよ。ここは俺の枠じゃないんっすから』
『そ、その……燃やさないで貰えると、助かる……かな。僕じゃ止められないし……』
ユキヤ:『――それもまた一興だ』
『一興じゃないですよ!? そ、それよりも今日はフィットネスゲームで勝負をするんですよね? えっと、この輪っかを使うのかな?』
ユージ:『今人気のやつっすね。その輪っかを押し込んだり引っ張ったりして変形させたり、適度な筋トレをして物語を進めるゲームっすね』
ユキヤ:『――ゲームだからな。このくらい余裕だろう?』
『僕はその……初めてだからどうだろう? あとこの輪っか……、ゲームが始まったら変形するんだね。今は全く動かないけど』
丸い輪っかを実際に押したり引いたりしてみたけど、今は何も動かなかった。
ただ、その僕の話を聞いてユージは固まっていた。
ユージ:『べ、別にこの硬さはゲームが始まっても変わらないっすよ? ま、まぁ、やってみたらわかるっすね。早速始めるっすよ!』
ユージは苦笑を浮かべていた。
『わかったよ。早速起動するね』
【コメント】
:ユキくん、見た目通りひ弱w
:今日はユキくんの負けかw
:真緒さん、勝ってくれ!
:ユージ草には負けるな!
:でも、今日はユージ草が一番まともw
真心ココネ🔧:ユキくん、無事に帰ってきて下さい……
美空アカネ🔧:そこだよ、ユージを燃やすんだ
海星コウ🔧:いらないことをするとアカネを燃やすよ?
美空アカネ🔧:しょ、消火器はしっかり用意してあるから
:↑草
ゲームを起動させるとフィットネスゲームらしくまず最初に身長と体重を求められる。
『えっと、身長は150cm……。次は体重――』
【コメント】
:流石に隠すよな
:いや、ユキくんのことだ。うっかりとBMIの数字をさらしてくれるはずw
羊沢ユイ🔧:うみゅ、ゆいと同じ身長……
:計算の準備はできている
:↑お前たちw
:まぁ、何人もさらしてるVtuberがいるもんな
:ある意味罠だよな、ここ
真心ココネ🔧:ユキくん……、大丈夫かな
『体重は40kg……』
普通に隠すことなく体重も入力する。
すると、ユージが慌てた様子で言ってくる。
ユージ:『ちょ、ちょい待ち!? そこは隠すところっしょ!?』
『ふぇ?? 別に隠す必要なんてないよね?』
――別に体重なんて見られて困る様なことはないし。確かに痩せすぎてるから、母さんからもっとたくさん食べろ、と言われるけどその程度だもんね。
ただ、他のみんなからはそうは思われていなかったようだ。
【コメント】
:珍しくユージに同意だ
:まさか隠すこともしないとはw
:ユキくんらしいといえばらしいかw
:でも、痩せすぎだな
真心ココネ🔧:やっぱり!?
:ココママ、驚きすぎw
:いや、驚くでしょw
:今日のためにBMIの計算を覚えたのが無駄になった
コメント欄の勢いが加速したそのタイミングでキャスコードの通知音が鳴る。
ピコッ!
『わっ……、あっ、チャットか。』
どうしても突然音が鳴るこのチャット音は慣れなかった。
慌てて中を確認するとココネからのメッセージだった。
ココネ:[ユキくん、体重なんて言ったらダメです!! か、隠して下さい!]
『えっ……、なんで言ったらダメなの?? 別に僕は気にしないよ?』
ユージ:『いや、あのな……。まぁ、ユキっちがいいんだったらいいっすけど――。ユキヤからも何か言ってくれっすよ』
ユキヤ:『――何か問題があるのか?』
ユージ:『はぁ……、あんたたちに聞いた俺がバカだったっす』
『えとえと、何かはわからないけどドンマイです』
ユージ:『いやいや、なんで俺っちがミスしたいになってるんっすか? 全てユキっちのことっすよ!?』
『……??』
【コメント】
真心ココネ🔧:ユキくん……、あとでお説教です
:ココママのお説教入りまーすw
:体重がバレる恥じらいも見たかった
:ユキくんらしいw
:おかしい。ユージが普通に見える
:まさか今日のユージは別人?
:↑それだ!
:草が生えない……。燃やせない……
『と、とにかく体重も入れ終わったし、先に進めるよ。えっと、まずは力の調整? 負荷を選択?? えっと……、ど、どれがいいのかな?』
ユキヤ:『大したことはない。最強でいいだろう』
ユージ:『ちょい待ち! ユキっちの見た目を考えると最弱でいいと思うっすよ』
『ぼ、僕としてはその……、できたら普通を選びたいんだけど……』
ユージ:『後から負荷は変更できるから、俺の言う通りにした方がいいっすよ?』
『あっ、そうなんだ……。わかったよ、それじゃあ一番弱い負荷で……』
ユージ:『まずは軽いミニゲームから始めるっすよ! 一応練習で』
ユージが選んだのは軽く走って、コインを集める物だった。
ベルトコンベアの上を早く走ったり、遅く走ったりして、コインを取りに行く。
たまにジャンプしたりとかも必要になる物だった。
ユキヤ:『――この程度、問題ない』
『えっと……走ればいいんだよね? それに輪っかを押す?? うん、だ、大丈夫』
ユージ:『ユキっちは本当に大丈夫っすか? まぁ、とにかく練習で一回してみるっすよ』
僕たちの返事を聞いたあと、ユージはゲームをスタートしていた。
◇◇◇
『はぁ……、はぁ……、はぁ……』
軽いやつから始めたはずなのに僕は肩で息をして、まともに喋ることすらできなかった。
――い、意外と大変なんだね……。
ゲームと思って侮っていたかもしれない。
しっかりとしたフィットネスゲームみたいで、すでに汗が流れている。
そして、画面にはスコアランク『―』という文字が表示されている。
つまり、0点。
計測不能だった、ということだ。
――こ、これ、勝てるの? ううん、ここまで大変なゲームなんだから、そんなに悪い数字じゃない……よね? みんなきっと一緒の数字……だよね?
淡い期待を抱いていたのだが、それは粉々に粉砕される。
ユージ:『それじゃあ俺っちから言うっすよ。俺はランクA。凡ミスしてしまったっすね。ユキヤはどうだった?』
ユキヤ:『――S。ふっ、この程度造作もない』
ユージ:『流石っすね。今回は簡単なものを選んだから当然っすよね。そうそう低いスコアは取らないっす』
『あ、あはははっ……』
もう乾いた笑みしか浮かべることができなかった。
ユージ:『それでユキっちはどうだったんっすか?』
『わふっ!? ぼ、僕はその……あの……、な、なし……です』
恥ずかしくなって、ゆっくり顔を段ボールへと隠す。
ただ、僕の返答を聞いてユージも固まっていた。
ユージ:『なし……って、0点ってことっすか!? う、嘘じゃないっすよね?』
『えと……、うん。そ、そう書いてあるし……』
次第に泣きそうになってくる。
【コメント】
:0点って初めてみた
:ユキくん……
真心ココネ🔧:ゆ、ユキくんは必死に頑張ったよ
:つ、次から本番だから
羊沢ユイ🔧:うみゅ、ユキくんらしいの
《:¥1,000 お疲れ様》
僕の顔がゆっくり段ボールへ沈んでいくそのタイミングで、真緒さんが顔に手を当てて笑い出していた。
ユキヤ:『くくくっ。はははははっ。中々興味深いやつだ、雪城ユキ!』
『ま、真緒さんまで!? わ、笑わないでくださいよ。そ、その……、僕は必死に……』
思わず涙目のまま真緒さんに対して大声を上げてしまう。
しかし、それはユージによって止められる。
ユージ:『ちょっと待つっす! ユキヤがこんなに楽しそうにしてるなんて、初めてみたっすよ』
『えっ!? それってただ、僕の痴態が笑われてるだけですよね!?』
ユキヤ:『――よし、今日は雪城に0点以上を取らせる! ユージもいいな?』
真緒さんは本当に楽しそうに笑いながらユージへ言う。
ユージ:『……まぁ、ユキヤがそれでいいならいいっすよ。珍しいっすね、ユキヤが自分の意見を言うの……』
『あ、あの……。ぼ、僕の意見は――?』
ユキヤ:『はーっははっ、次のミニゲームへ行くぞ! 我が必ず一定の成果を上げさせてやるぞ!』
『わ、わふぅぅぅ…………!?!?』
僕の意見は聞かれることなく次のミニゲームへと進んでしまう。
【コメント】
:ユキくん、ご愁傷……
真心ココネ🔧:ユキくん、無事に帰ってきてね……
羊沢ユイ🔧:うみゅー、ゲームなら負けないの! ゆいともするのー!
◇◇◇
放送終了ギリギリまでミニゲームを続けた。
真緒さんの特訓やユージさんのアドバイスもあり、かろうじてランクが表示される最低である、Cランクに到達することができた。
『わ、わふ……。も、もう動けないよ……』
ユキヤ:『――今日はこのくらいか。最初から飛ばすわけにはいかないからな』
ユージ:『いやいや、十分飛ばしてたっすよ!? ユキっち、大丈夫っすか?』
『だ、大丈夫……。で、でも、さすがに疲れたかな……』
息を荒くしている僕。今にもその場に倒れそうだった。
【コメント】
真心ココネ🔧:ユキくん、お疲れ様
《:¥2,000 乙わふ》
:吐息エロい
:でも、これって捕らえられたままじゃないのか?
:犬姫を助けるのは一体誰なのか?
羊沢ユイ🔧:ゆいなの!
《:¥10,000 捕虜生活に使って下さい》
ユージ:『それじゃあ、今日最下位の成績だったユキっちには罰ゲームっすね』
『うぅぅ……、お、お手柔らかに……』
ユキヤ:『――カタッター名を選べるのだったな。囚われのユキ犬姫でいいんじゃないか? @の後ろにでもつけてくれ』
ユージ:『なるほどっすね。それは良いアイディアっす。今日から全体コラボまでユキっちは囚われのユキ犬姫っすよ。それじゃあ拍手』
【コメント】
:888888
:888888
:888888
真心ココネ🔧:ゆ、ユキくんは私が救い出しますから
羊沢ユイ🔧:うみゅ、囚われ……働かなくて良い……。羨ましいの
神宮寺カグラ🔧:罰だから仕方ないわね
:888888
美空アカネ🔧:なんだ、ユージが燃えてる音か?
《:¥10,000 ユージ8888888》
《:¥10,000 草8888888》
《:¥10,000 ユージ火》
《:¥10,000 ユージ炎》
《:¥10,000》
『わ、わふっ!? さ、最後の最後に赤スパで燃やさないでー』
ユージ:『仕方ないっすね。むしろ良くここまで持ったと感心するっす』
『そんなこと言ってないで止めて……』
ユキヤ:『――放送終了だな』
ユージ:『おーつかれちゃーん♪』
『ちょ、ちょっとまっ――』
この放送は終了しました。
『《♯囚われのユキ犬姫》フィットネス勝負。真の犬力を見せつけるよ! 《雪城ユキ/真緒ユキヤ/野草ユージ/シロルーム》』
3.9万人が視聴 0分前に配信済み
⤴1.3万 ⤵61 ➦共有 ≡₊保存 …
チャンネル名:Yuki Room.雪城ユキ
チャンネル登録者数18.2万人
◇◇◇
雪城ユキ@囚われのユキ犬姫 @yuki_yukishiro 今
わ、わふー。フィットネス勝負に負けたので、しばらくは囚われのユキ犬姫として生きていくの……。誰か助けに来て……。
約束通りカタッター名を変える。
結局配信の最後は赤スパ一色で、派手に燃えていたので反応が気になった。
だからカタッターを確認していたら色んな人からリプが来る。
真心ココネ@シロルーム三期生 @kokone_magokoro 今
返信先:@yuki_yukishiro
今すぐに助けに行きます!!
神宮寺カグラ@シロルーム三期生 @Kagura_Zinguuzi 今
返信先:@yuki_yukishiro
不当な扱いを受けたら言いなさい! すぐに行くわ
羊沢ユイ@シロルーム三期生 @Yui_Hitsuzisawa 今
返信先:@yuki_yukishiro
うみゅー、三食昼寝付き労働なしなら代わってあげるの(੭ु˙꒳˙)੭ु⁾⁾
――みんな相変わらずだな。
どうやら反応自体がそれなりにあるようなので、これはこれでユキくんのアカウントとして考えるならおいしい結果になるだろう。
そんなことを思ってるとチャットが来る。
アカネ:[ユキくんの新衣装を準備したよ。でも、まさかちょうど良いタイミングになったかもしれないね。早速使うと良いよ]
まさかのアカネからだった。
そして、いつから描いていたのか、そこにはいつもとは違うユキくんの展開図が描かれていた。
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