第64話 タピオカの後って何が流行ったのか知らないことに悲しみを覚えました
「『低気圧子』さんに『メモメモ』さん、えっと、『忘れられたタピオカ』さん。タピオカさんってずっと呼んでたら、ほんとにちょっと忘れてしまいました、ごめんなさい! 3人ともありがとうございましたー! 楽しかったです! ……はい、今日は4位でしたが、とっても楽しかったです! まさか最後にあんな大逆転があるなんて思いませんでしたね! さて、今日の配信はそろそろ終わりです! 最後に、もう一つ。アンケートで選ばれた今月やるもう一つのゲームは……『BEAST HUNTER RAISE』です! こちらも最新作ですね! それでですねー、何もしてない状態で始めるとキャリー状態になっちゃうかもしれませんよね? なので、少し進めておいた方がいいかなー、と考えていますが、よかったらコメント欄にこういう風にやってほしいとか書いてくれると嬉しいです! その中のコメントをぱーっとみて決めようと思います! 『集計しないの?』じゃ、ありませんよ!? そんなにいじめたいですか!? はーい、いじめないでくださいねー、ナキマスヨー。 はい、今度こそ配信終了です! ではでは、おつかれさまでしたー!」
配信を閉じ、伸びをする。
やはり、誰かとプレイするというのは一人の時とは違う。
今までも、配信を見てくれている人とゲームをしたことはあるけれど、なかなか慣れない。
「おつかれさま~」
配信を終えると海菜がすぐに部屋に入ってくる。
今回も配信を見てくれていたのだろう。
「ありがと」
「面白かったよ~。兄ちゃんがどんどん順位落としてくところとか~」
「……まあ、楽しかったならいいよ」
「あと、タピオカ、どうする?」
「あれくらいならいいんじゃない?」
「そっか~」
海菜の言っているのは、タピオカさんが時々目的地から遠ざかるような動きをしていたことだ。ゲーム内に『タピオカ屋さん』を買収できる場所があり、そこに目的地よりも優先して向かっていた。
コメントを見ていた感じでは、最初こそ少し批判もあったけれど、『タピオカ屋さん』を買い占めようとしているとわかった後は楽しんでいる人もいたし、それで他の人に迷惑をかけていたわけでもなかった。
そのくらいのこだわりがあるくらいは、楽しんでいたという範囲だろうし。
「明日はみんなでやろうよ~」
「そうだな」
こういう、運要素の多いゲームは家族で普通に楽しんだりする。
何がどこにあるか、などを覚えれば、覚えてない人と差は出るだろうけど、覚えようとしない限り、覚えきれるものでもないので、気を遣わずにできる。
「兄ちゃん、あと、時間」
「……あ」
また、予定より時間が過ぎていた。
「配信見ながら待ってたんだよ~?」
「ごめん、すぐ降りよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます