第2話 ダメな私の〇〇〇〇

 さてさて、幽体離脱しちゃった私なんですが……ここからが本題なんです。



 幽体離脱だと天井にぶつからないと思うでしょ?


 でも、そうとは限らない!


 だって私がこうむった幽体離脱ってばモノに触れることが出来るんです。


 そして更にビックリしたのは幽体なので素っ裸だった。


 とりあえず裸は恥ずかしいし寒いので明日持っていく準備をしていた体操服を慌てて着たんです。


 するとどうでしょう~。


 いつもはすぐに吐くのに足が無いからズボンが履けない!


 でもね。


 今日ほど女の子で良かったと思った事はありません。


 そう、だってスカートを履けますから~。あ~良かった良かった。


 というわけでイソイソと制服のスカートを履く……頭から被ります。


 そして、どうにか落ち着いた私は姿見を振り被ります。違った! 振り返ります。


 するとどうでしょう~。


 上半身は体操服。


 下半身は制服のスカート姿の私が……宙に浮いています。


 まぁ幽体離脱ですし普通そうですよね?


 でもね。


 浮いてます浮いてます明らかに浮いています。


〝マジシャンかー!〟って程に浮いてます。


 まあ幽体離脱ですしそりゃ~浮くでしょうよ。


 ちがーう! 存在が浮くってやつです。




 そして、浮いてばかりでは居られないので元の体に戻ろうと思いました。


 布団は転げ落ち本体もベッドから〝ゴロリ〟と転げ落ちています。


 変な所を打ったりでこれ以上頭が悪くならないかが心配です。


 さらに心配なのが服を着たままだけど……。コレ戻れるのって?


 ちょっと戻ってみようと思って試してみました。


 でも、おでこをゴッチンコとぶつけてしまって戻れません。


 さあ困ったと思った矢先に私にピンと名案が浮かびます。


 モノに触れるって事は~愛しい彼の部屋に忍び込んでこっそりチューとか出来たりしませんか?


 しませんか? しますよね?


 思い立ったが吉日。善は急げって言います。


 食べ終わったお膳を持って急いで出掛けようとしました。




 でも、困ったことに部屋から出られない。


 何故だと思います?


 そう、すり抜けられないんです……物に触れる幽体離脱だから。




 でもね。


 馬鹿になる前の頭ですからソコはまだ大丈夫。


 チャント扉を開けましたよ~実体化してるんですから開けれます開けました。




 しかしながら私の体である本体が離れるのを嫌がるのか3mしか離れてくれないんです。


 仕方がないのでパジャマの私をよっこらせと背負いました。


 そして、愛しい彼の家に向かうわけなんですけども、到着した所でハッと気がついたんです。




 何をって?




 だってホラ。私、壁をすり抜けられないから、


 愛しの彼の家に到着しても呼び鈴を押さなきゃ入れないんです。

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