セイ剣?(字が違うんじゃない?)

『では脱いで下さい』


ほわい?

私の耳が悪くなったのかな?


「ワンモワプリーズ」

『脱いで下さい。それはもう全部脱いで、すっぽんぽんになってください』


HAHAHAHA!!!!

聞き間違いじゃ無かったようだ。


……………ガッテーーーーム!!!!!

そこは聞き間違いであって欲しかったぜっ!!!


「グレン、さぁ脱いで!私は外に出ているから♪」


『いえ、私でヌク資格があるのはシオンですよ?』

「待って!?違うでしょう!私でじゃなくて、私を抜く資格が~でしょう!?」


なんかこの聖剣ヤバくない!?

シオンがアワアワしていると、グレン達は関わりたくない………いや、とばっちりを受けたくないので、部屋を出ていこうとした。


「じゃ、頑張ってな!」

「終わったら呼んでくれ」


シオンが慌ててグレンの足にしがみ付いた。


「待ってーー!!!私の貞操の危機なのよ!?見捨てないでーーーーー!!!!!」


『いえいえ、大丈夫ですから。痛いのは最初だけですから♪優しくしますから♪グフフフッ♪」


「全然!!!1つも大丈夫な要素がないんだけど!?」

「ほ、ほら腐っても聖剣だし頑張れ!」


『いえいえ、腐ってませんよ?私は百合の花が好きなだけなんです』

「うん、ちょっと黙ろうか?セイケンちゃんよ?」


シオンは頭を抱えた。

うおぉーーーー!!!!マジでどうすんのよ!?

そりゃ、魔王軍と戦う為に頑張るって決めたけどさぁ?これは予想して無かったわ!

諦めて裸になるしかないの?でも、裸になったとたんにこの変態聖剣………いや『性剣』かな?何をしてくるかわかんないんだよ!


どうする?どうするよ私!どうしよう!?

少し考えてシオンはハッとした。


ちょっと待てよ?

本当に裸になって儀式ってやつをやらないと、本来の力が出せなくなるのかな?


…………この聖剣信用できないしなぁ~


チラッ

シオンは立ち上がると聖剣に尋ねた。


「ちなみに儀式って何をするの?」

『それはもう、裸になってその豊満な胸で私を挟んでくれれば─』


「HAHAHAHA!」


シオンの目から光が消えて、誰も意図してない瞬間、シオンが聖剣を引っこ抜いた。


ガチャン!


「「えっ?」」

『へっ?』


グレンとアーク、そして聖剣が間抜けな声を出した。


「ウフフフ♪抜けたわ♪」

「ちょっ!?シオン?」


これで聖剣の力が出なくなったらどうするつもりだよ!グレンが何か言おうとしたが─


『えっ?ちょっ!?まっ─』


ガンガンガンッ!!!!

ガンガンガンッ!!!!


シオンは刃を横にして聖剣を石に叩き出した。


「アハハハハハッ!!!!!」

『イタタタタタッ!!!!!』


シオンは乾いた笑い声を出しながらガンガンと叩き続けた。それをグレンが羽交い締めにして止めた。


「待て、落ち着け!シオン!!?」

「放せーーー!!!この変態聖剣をぶっ壊してやるんだから!!!!」


すでに当初の目的を忘れてしまっていた。


「待てシオン。聖剣に聞きたい事がある」


アークが真面目な顔で止めた。

何よ!今、良いところだったのに!


「聖剣よ、お前にはどんな呪いも解く力があると聞いたのだが本当か?」


呪い?なんだろう?


『うぅぅ………酷い目に合いました。えっと、呪いの解除ですか?できますよ?』


アークの顔がほころんだ。


「本当か!?それは石化の呪いでも?」

『ええ、聖なる力を宿した私になら解けますよ♪ドヤサッ』


聖剣はドヤ顔を決めて言った。ってか、顔って何処よ?


『でも、今は無理ですね。力が足りません』


こいつ…………


「ちょっと!力が足りないってどういう事よ!」

『シオンが儀式をせずに私でヌイたから─』

「うふふ、私を抜いたからね?」


シオンはまたガンガンッと聖剣を石に叩き付けた。


『痛い痛い!冗談です!力が足りないのは、各属性のアーティファクトが外されているからですよ!』


アーティファクト?


「何それ?」

『私の聖剣の力の源になっている宝珠です』


火のアーティファクト【イグニス】

水のアーティファクト【アクア】

風のアーティファクト【ウィンド】

土のアーティファクト【テラ】


『この四大属性のアーティファクトがないと本来の力が出せないのですよ』


へぇ~やっぱり私が裸にならなくて良かったんじゃない!この変態聖剣め!


シオンの聖剣に対する信用はゼロを通り越してマイナスになるのだった。

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