1年と33日目「目標って何かしら?」

「目標って何かしら?」


コロンコロンとベッドの上を転がりながら、紗奈は唐突にそう言った。


僕はそろそろ時間かと机の上を片付けて、椅子をクリンと回転させる。


「なんの目標?」

「うーん、小説の?」

「なんで疑問系?」


紗奈は半身を起こし、ポンポンと自分の隣を叩く。

いつものように紗奈の隣に座り口を重ねる。

もきゅもきゅ。


ぺろっと口を舐めながら紗奈は。

「もきゅもきゅをまたしても、小説で表現しないようにしようかと思ったけど、文章にする時に気付いてしまうの。

私たち、息をするように隣同士になったらもきゅもきゅしてるわ、と」


「今更過ぎない?」

「意外と減らないわね?」

「これからもっと増えると思うよ?」


紗奈が上目遣いでモジモジする。

可愛いかったので当然、口を奪う。

もきゅもきゅ。


ふ〜と一息つきながら僕は言う。

「何度目か分からないけど、何度も言うけどラブコメ後のイチャイチャってこんなレベルじゃない訳だから」


新婚夫婦ならそのまま子供が出来る訳だから。


「それもそうね……。

実際に経験しているのに、書いてみないと気付かなかったけれど、ラブコメって随分手前の話なのね」


「そうだね、あえて言葉にするなら……。

好き、好きじゃない(ラブコメ)→付き合う(恋愛)→愛してる、愛してない(恋愛)→結婚する、しない→新婚→夫婦と定義するなら、僕らは新婚でラブコメとは4っつも段階が違うからね」


と〜っても大雑把な例えだけど、僕の感覚的にはこんな感じ。


「新婚のイチャイチャって……そうなのね。

そっか、それは確かにラブコメのイチャイチャと比較する方が間違いなのね」


そもそものステージが違い過ぎる。


「意外と定義するってことが大事かもね」

「それよ!」

紗奈は僕に飛び掛かる。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。


「……思わずクセでもきゅもきゅしてしまったわ。

それよりも颯太!

定義よ! 定義なのよ!」


ひとしきり紗奈に捕食され、上に紗奈が乗った状態なのでとりあえず抱きしめて頭を撫でておいた。


紗奈はゴロゴロと甘えてくる。

そうしているとなんだか僕も落ち着かずに、何度も紗奈の唇に自分の唇を重ね、ついばみ、ついでに舌も。

あー、止まらないー。


「……つまりカクヨムにおいての目標を定義しようと思うの。

……今度」


紗奈はされるがままになりつつも言葉を続けるが、ついに諦めたように自ら僕にキスを返して来る。


もにゅもにゅ。


もっきゅもっきゅと口を重ねながら、完全にスイッチ入っちゃったなぁ、困ったなぁとお互いが目で会話。


もう僕ら2人に止めると言う選択肢はなく……。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。

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