189日目「急激に評価されると怖くなる時があるわ。」
「急激に評価されると怖くなる時があるわ。」
僕のベッドでうつ伏せになってゴロゴロしながら、スマホでネット小説を読んでいた紗奈は唐突にそう言った。
僕は書いていたペンを止め、クルッと椅子ごと振り向く。
「そうなんだ。」
「颯太!颯太!」
バシバシと紗奈が自分の隣を叩く。
「呼ぶの早いね、、、。」
振り向くと即呼ばれてしまった。
「私はいつでも颯太を呼んでいるのよ。
ということで、カモーン!」
僕は机の上に片付けて、紗奈の隣に座る。
「それで何が怖いって?」
「その前にコレを見て!」
そう言って、スマホを見せる。
どれどれ、と見ようとしたら紗奈は手に持ったスマホをそのまま横に移動。
そのまま紗奈が自分の身体を起こす。
あれ?と思ったところに口を重ねられた。
もきゅもきゅ。
「ここはお約束を破らないことが大事よ。」
口の周りをぺろっと舐めて紗奈が言う。
うん、なんのお約束なのかよく分からない。
とりあえず、やられたので紗奈を押し倒して口を重ねておいた。
もっきゅもっきゅ。
お互いに口の周りをぺろり。
「、、、お互いの匂いが嫌じゃないのって、遺伝子的の相性が良いかららしいよね。
、、、お互いのもきゅもきゅが嫌じゃないのもそういうことかなぁ。」
「、、、そういうことなんじゃない?」
また口を重ねる。
もきゅもきゅ、、、。
「そ、れ、で!
急激に評価されると怖くなる時があるの!」
「そうなんだ。」
僕は紗奈の頭を優しく撫でる。
「そうなのよ。
とーっても嬉しいことなんだけど、え!?何が起こったの!?とランキングとかピックアップで異常が起きてないか確認してしまうの。
何も起きてないけれど。」
「そうなんだ?
ただ単純に見てくれている人が増えただけじゃないの?」
紗奈は頷く。
「そうなのでしょうね、、、。
それと同時につまらない話を書いてしまって、失望させないかと思って恐怖も感じるの。」
「成る程成る程、自分でプレッシャーを感じるのか。」
紗奈はまた頷く。
「そうなの。
やっぱり楽しめる作品を書きたいじゃない?
出来る範囲には限りがあるけど。」
「まあ、程々にね。
無理をしても楽しい作品は生まれないからね。」
「そうね!
だから、英気を養うの!」
英気?
僕が尋ねようとする前に、紗奈が僕の上に乗ってきて両手で僕の顔を押さえて逃さないように口を重ね、貪るように。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ、、、もっきゅもっきゅもっきゅ、、、。
紗奈に食べられる〜!
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